今、追いかけたい落語家ナンバー1です。橘家圓太郎師匠と双璧。並べちゃいけない二人でしょうが。
本人は「副業はない」と言いますが、私は逆にここまで「落語のアンチテーゼ」な人はないように思います。志らく師匠も「まさに現代」と言ってますし。あまりに落語的ではない。
ただ好き。生きざまが好き。生きざまが好みな人がたまたまあたくしの好きな「落語」家だったというだけですね。
位置: 44
優越感なんて、自分より下を見つけられればいつでも 浸 れる安易な幸せに過ぎない。
いわばこしら師匠は究極の与太郎ですよ。真理に最短距離でアプローチする。知恵のある弥太郎。
位置: 172
残念ながら、新聞勧誘は金がないとわかると優しくはしてくれないのだが、宗教勧誘だけは違う。熱心に通って悩みの相談にも乗ってくれる。
こんなにありがたい人々はいないのだ。
ある日、空腹であることを打ち明けた。
「うちに食べにいらっしゃい」
天からの声である(キリスト教系の宗教ではないので、天じゃないかもしれないけど)。
遠慮なくお邪魔した。翌日も、また翌日も。
しばらくすると居留守を使われるようになった。なんて心の狭い神様だろうか。
すごいよね。宗教勧誘のところへ行って、逆に飯をたかるっていう。出来ないですよ、普通は。
位置: 188
人は学んで成長する。
しばらくすると、別の宗教が勧誘に来る。空腹を訴えると「食べにいらっしゃい」の流れ……。
もう私にとっては、食事の宅配サービスと同じだ。週一回の食事を様々な宗教で補ってゆく。
こうやって気が付いたら、両手じゃ収まらない数の宗教に入信していたのだ。
ご利益あるんだろうか。それぞれの地獄に落ちるんだろうか。「それぞれの地獄がある」とは宇垣美里氏の言葉だが、逆にこしら師匠も語れるのでは。
置: 349
ノートパソコンを持ち歩くことはない。小さく軽く高性能と言われても、ノートパソコンはデスクトップのパソコンには敵わない。それならばいっそのこと、デスクトップを持ち歩く方が 粋 である。VPCのサービスとスマホはそれを可能にしてくれるのだ。
これはまさに至言。長年の願望「デスクトップにかなうノートを買う」を見事に雲散霧消させていただきました。そうです。デスクトップにかなうノートなし。
位置: 356
私は睡眠時間の大半を移動中にまかなっている。眠くなったら移動するのだ。新幹線でも飛行機でもいい。
何日も前から予約すると安くなるというチケットがあるが、私からすると安くない。行動を縛られてしまうことの機会損失の方が、よっぽど痛手である。
徹底的に効率的。落語と大違い。
何故この人が落語をやり続けるのか。不可解だが有り難い。
位置: 394
「お年寄りから子供まで。誰にでもわかりやすい」落語。
この対極にあるのが私が得意としている仕事である。
ブルーオーシャン戦略。
位置: 424
面白そうだと思い、オークションサイトで中古車を探してみる。
最安値で6万円だ!
これならばスマホを買い換えるのとさほど変わらない。じゃ買ってみるか、と気軽に考えられる。
車や家は大きな買い物と思いがちだが、最初からパーフェクトなモノを手に入れようとするから覚悟が必要になる。
何事もお試しでいいのだ。その上で、長期保有という概念を捨てればいい。
このあたりも彼らしい。引き算の美学すら感じます。徹底的に捨てていって、それでも残るものに価値があるかどうかを図る。人生もそうだ。
位置: 598
外食で不足するのは栄養ではない。愛情だ。
至言の塊。だな、この本。
置: 790
着物、手拭いや扇子など落語にも関係しそうなアイテムを出品する。いくつか売れるのだが、売れた途端にライバルがやってくる。私が手に入れられる品物なんだから、日本に住んでいれば誰でも手に入れられるのだ。
地下足袋 が「忍者シューズ」という商品名で売れている時は、その尻馬に乗って少し儲けを出させてもらったのだが、所詮誰かのアイディアに便乗しただけ。
師匠から教わった落語を一言一句なぞっていることと何ら変わりはない。これでは面白くない。
師匠から教わった落語をなぞることを「面白くない」と言い切る。
90年代の落語を聞いていた人間からするともう、卒倒するような至言。当時、そんなこと言っちゃダメって雰囲気ありましたものね。
位置: 800
さっそく、城に忍び込むために使っていた忍者のアイテムとして、蚊取り線香を出品してみた。もちろん、 竹藪 をバックに着物(本職だからね)に覆面で蚊取り線香を使っている写真を撮り、おにぎりを包む竹皮に包んでお届けするという念の入れようである。
これが売れたのだ。
5巻100ドルで飛ぶように売れる。殺虫剤でなくアンティークのカテゴリに出品して、少しドラマチックに演出しただけなのに。
機転も利く。知恵と機転を身に着けた与太郎。無敵。
続きます。
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