『点と線』松本清張著 日本ミステリーの金字塔も……

松本清張先生の代表作

教科書にも乗っているくらいの名作で、古典ミステリーとしては最高峰だと認識しておりますが、読んだことがないという無学っぷり。
実はそんなに長くない、と知り、一気に読んでみた次第であります。

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読んでみると、古くせぇ……

新幹線がない、煙草はどこでも吸える、個人情報とか「なにそれ美味しいの?」状態……。
仕方がないことですが、古臭ぇす。

この古さの中でも、読みやすくて品のある文章というのは光っているのですが、なにせ価値観が違いすぎます。

こういうのをみると、時代劇とかって如何に現代風にアレンジされているかが分かりますね。
ガチで古いものって、埋められない価値観の相違があって、読んでいてもすっぽりハマりきれなかったりします。

結構「どうなの?」と思うところも

主人公があまりスマートでないのが、本作の魅力でもあり慣れないところでもあります。
ポアロやホームズなら、もっと手際よく解決できるのでしょうが、この三原刑事はとってもドン臭い。

それは自分も認めていることで、作中でも己の脳みその硬さを嘆いているシーンはいくつもありますが、それにしても頭の回転が悪い。

移動手段として飛行機を見落としたり、やることが粗忽。
だけれど刑事の勘だけは鋭い、みたいな。勘で解決されても、読んでいる方は楽しくありませんからね。
安田が犯人だ、ってぇのも、そもそも根拠の無い勘ですから。

古典としては十分に普遍的

それでも、アリバイ崩しに奔走する様は現代のミステリーに何ら遜色はないし、松本清張氏の文章の老獪さは流石。
読みやすい古典として、オススメ出来ます。

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