マツオさんが激推ししていた小説の映画化。
宮部みゆきさんだから、間違いはないだろうと。
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クリスマスの朝、雪が降り積もった城東第三中学校の校庭で2年A組の生徒・柏木卓也の死体が発見される。
警察も学校も飛び降り自殺と判断するが、後日、学校関係者のもとに、柏木の死は自殺ではなく、大出俊次をリーダーとするいじめグループによる殺人だったと訴える匿名の告発状が届く。
やがてそれはマスコミにも伝わり、ワイドショーを連日賑わすことに。それでも学校側は穏便に事を収めようと後手を踏むばかりで、事態は悪化の一途を辿っていく。
そんな中、事件の第一発見者で2年A組のクラス委員を務める藤野涼子は、大人たちには任せておけないと、自ら真実を暴くべく立ち上がる。
そして、全校生徒に対し大出を被告人とする学校内裁判の開廷を提案する藤野だったが…。(後篇・裁判)
前代未聞の中学生による校内裁判、遂に開廷。被告は、告発状によってクラスメイト殺害の嫌疑がかけられた問題児。
校内裁判の提案者である藤野涼子は検事として、彼の有罪を立証しようとする。対する弁護人は、他校生ながら裁判に参加する神原和彦。さまざまな思惑が絡み合う中、真相を究明しようと彼らは必死に奔走する。
そして、裁判は思いもよらぬ人物の【証言】で幕を閉じる。
真相を知った彼らが、その先に見たものはー。
確かに面白かった。
特に前半ね。手に汗握る展開。心に刺さるセリフ。懐かしくて良いも悪いもある少年時代の雰囲気。
どれも惹きつける。
利己的な大人の都合、狭隘な子供の都合、嘘と本当。
この辺りの生々しさはさすがの宮部原作。
ただね。最後まで気になったのは、やっぱり神原と柏木の人間性ね。
神原。結局、彼の「裁かれたい」という欲でいろんな人が泣いたり喚いたりしたってこと。
これね、確かに法律的にはなんら問題ないけど、倫理的には問題あると思いますな。
言う・言わないは個人の自由っちゃ自由だけど、それで事が大きくなっているという面は少なくないでしょ。
ま、彼の証言がないから真実を読み違える警察も警察だけどね。
それから柏木。彼、ナイーブなのはわかる。けど、だからって久々にあった知人にあそこまでさせて、ダメだったらから飛び降りるって、そりゃ酷すぎますよ。しかも出自の難しい神原を呼びつけてさ。
彼も彼で、倫理的にどうなんだろう。
「彼の繊細な心をわかってあげられる人はいなかった」とかって話になると美談に過ぎて胸焼けがします。
ミステリとして、驚きが多い作品では全く無いけど、観させる力は十分でした。
やたらと「学校内裁判」に拘った結果、筋にちょっと不自然な感じはありましたけどね。
主演の方、蒼井優ちゃんにそっくりね。髪型かしら。
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