複数の感情が生まれるいい映画でした。
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閑静な住宅街にあるマンションの一室。バスタオル1枚で気まずそうに思い思いの場所に座っている男女8人。終始俯いている暗いニートの男、茶髪のフリーター、真面目そうなサラリーマン、工場勤務の太った男、メガネの女子大生、気の強そうな保育士、可愛らしい今どきのOL、大量のピアスを付け、痩せぎすの女。社会では友達関係にはなり得ない、バラバラな風貌だ。ここは「セックスがしたくてたまらない人たちが集まる」店。行為に及ぶまで、ぎこちないやり取りがあるが、一度してしまえば、欲望は気持ちいいほど剥き出しになっていく。しかし同時に、「やりたい相手」と「やりたくない相手」、それにともなう駆け引きや嫉妬など、それぞれの本音も露わになっていく。そんな中、ニートは女子大生に特別な感情を持ち始める。ぶつかり合う心と体、真夜中に途中参加してくるおかしなカップル、欲望渦巻く一晩は一体どこへ向かうのか―
まず、観て思ったのは、「やっぱり自分に乱交は無理だ」ということ。
当然といえば当然なのですが、「全員セックスしたいスケベ」という状況でさえも、「彼・彼女としたい」という気持ち、ひいては「彼・彼女とはしたくない」という気持ちは生まれるのよね。
その感情の残酷さよ。
自分は早漏だし、視覚的に優れた肉体でもない。
そんな状況での乱交現場は、単純に卑下心に火をつけるだけでしょう。
自分には向いていない。むしろ、コンプレックスをこじらせるだけ。
俳優陣は12chに出てそうなメンバーばかりで非常に好み。
キャラが立っていて適度に「いそう」な感じ。
「美人キャラ」「デブキャラ」もちょうどいい具合のキャスティングで、文句なし。
とにかく、乱交というものに嫌悪感がなければ観て損はしない映画だと思いましたね。
やたらとコンプレックスに染み入ってくる演出はエグいともいえます。
エグくて赤裸々で、それでいて密室人間関係モノが好きなら。
んで、最後のシーンも良かったなぁ。
男女の差が露骨に出てて。
ニート男の考えは手に取るようにわかるし、女子大生の「女らしさ」みたいなものも肌感覚で分かるわ。共感は一生できないと思うけどね。
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