『タイム・リープ』 思い出補正を抜きにしても、最高にしか思えん

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これ95年発表ですって。
ちょうど思春期真っ只中。

『僕だけがいない街』のこともあって、ちょっとタイムリープものが読みたくなって。
探していたら見つけました。

青春時代の本で、夢中になって読んだ記憶があります。
当時、「こんなに理路整然としたタイムトラベルものがあるのか」といたく感動しました。

当時から、タイムトラベルものの理不尽さというかご都合主義的なところに懐疑的だったんですよね。
急につじつまを都合よく合わせるようなタイムトラベルに辟易していたんですな。

んで、いま、再読したんですけど、やっぱりよく出来ている。
いや、「何故?」とかってなると説明はないんです。しかし、話に無理がない。
ご都合主義を感じさせない、スムーズな筋の展開。

テンポよく読ませ、溜飲をサゲさせ、ちょっとホワっとさせる。
このへんの手管が上手いのなんの。

○未来を変えない事。  そのためには、どうすればいいのか。『同じ人間が、同じ状況にあれば、同じ判断をして、同じ行動をする』という定理から、次のような事が言える。
○『予備知識』は持たない方がいい。  それを持たなければ、『同じ判断をして、同じ行動をするから』である。  では、『予備知識』を持ってしまった場合、どうするか。
○『予備知識』と『同じ行動』を、意識してとらなければならない。  のである。  あまりに面倒臭くて、うんざりしてしまうが、翔香を更にうんざりさせるのは、これが必要条件に過ぎない点だ。いってみれば『現状維持』のための作業であり、事態改善の作業ではないのである。
at location 1725

この本のタイム・リープは発生条件が主観的で、かつ、飛ぶ先がコントロール出来ない。だからこそ、「未来を変えない」とか「予備知識は持たない」とか自律しなければならないということなんですが、このへんの理屈っぽさを説明臭くさせすぎない範囲でしっかりとしている。

高畑氏、すごいです。
しかし、調べたらWikipediaによると、この方、ここ10年は筆を置いてる様子。
これだけの名作を書きながら、もう書いてらっしゃらないということかしら。

思い出補正を抜きにしても、名作だと思います。

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都内在住のおじさん。 2児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』
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