プチ鹿島著『芸人式新聞の読み方』感想 視点の獲得も教養のうち

新聞を相対化して読む、というのは人によっては当然のことですが、ちょっとハードルあるよね。

新聞には芸風がある。だから下世話に楽しんだほうがいい! おじさんに擬人化することで親しみが湧く朝刊紙。見出しの書き方でわかる政権との距離。世論調査の質問に表れる各紙の立場。朝刊スポーツ紙と芸能事務所の癒着から見える真実etc.…。人気時事芸人が実践する毎日のニュースとの付き合い方。ジャーナリスト青木理氏との対談も収録。

闇雲に読んでつまらない思いをするより、よっぽどいい。


読み比べでたどり着いた意外な「すし利権」

位置: 242
もしかしたら、ホテルに出前を頼んだのはオバマではなく、「久兵衛」に気を遣った安倍首相サイドだったのではないか?
今回の会食場所は「次郎」になるが、ホテルへの出前を差し入れることによって「久兵衛」のメンツも保たれる。別にオバマが食べなくてもいい。側近が食べればいいのである。

なるほど、鋭い指摘。こういう邪推が面白い。
どこの寿司屋に行ったかだけで、ここまで語れる。

新聞の「芸風」を許せない人が増えた

位置: 296
ちなみにその記事は、イギリスを訪問した中国の習近平国家主席を歓迎する公式晩餐会で出された高級ワインが「天安門事件と同じ1989年のワイン」だったというもの。「英国的な皮肉あふれる無言の抵抗なのか。同事件を連想した招待客らの間では、さまざまな憶測を呼んでいる」(2015年 10 月 28 日)という内容。この記事の読みどころは憶測の楽しさや是非ではなく「中国が嫌がらせをされている様子を嬉しそうに報じる産経新聞」なのである。他紙ではこのトピックはなかったからからだ。

意地が悪いねー、産経新聞。ニヤニヤしちゃいますね。

そういうキャラを俯瞰して楽しむ、というのは結構高等な遊戯だと思います。アニメファンが制作会社で色分けを考えるようなもの。城ファンが築城主から石垣を鑑賞するようなもの。


面白い見方を教わりました。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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