大杉栄『奴隷根性論』感想 アナーキストってどんなん

意外と読める。

個人主義や無政府主義を実践するための社会運動に従事した大正期の思想家、大杉栄の評論。初出は「近代思想」[1913(大正2)年]。殺されるくらいなら家畜のような奴隷に。このような主に仕える奴隷根性が階級を生んだとする大杉は「自由人」登場のために奴隷的道徳の刷新を訴える。ニーチェの貴族の思想が日本のアナーキストによって変奏される。

難しそうな話ですが、意外と読めましたね。

位置: 81
僕はあまりに馬鹿馬鹿しい事実を列挙して来た。今時こんなことを言って、何のためになるのかと思われるような、ベラポーな事実を列挙して来た。けれどもなお僕に一言の結論を許して戴きたい。
主人に喜ばれる、主人に盲従する、主人を崇拝する。これが全社会組織の暴力と恐怖との上に築かれた、原始時代からホンの近代に至るまでの、ほとんど唯一の大道徳律であったのである。

ごくごく短い文章なんですが、なんとなく鬼気迫るものを感じる。

明治・大正期における日本の代表的なアナキストである。大逆事件の後に共産主義の中で優勢になったアナ系[1]の大立者であったために危険視され、関東大震災直後、憲兵隊司令部で殺害される。(甘粕事件)

自由恋愛論者で、女性から経済的支援を受けて生活しており、居候中に堺利彦の義妹堀保子[2]を強姦することで結婚する[3]。当時、保子は深尾韶と婚約していたが、これは破棄された。だが、栄は保子と入籍せず、神近市子に続き、伊藤野枝とも愛人関係となって、野枝は長女魔子[4]を身ごもった。女性達からは常に経済的援助を受けていたが、野枝(とその子供)に愛情が移ったのを嫉妬した市子によって刺された日蔭茶屋事件(日影茶屋事件)によって、大杉は瀕死の重傷を負った。

(wikipediaより)

穏やかじゃない。伊藤野枝の本は積んであるので、そのうち読まねばね。

The following two tabs change content below.
都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする