ミステリ好きのためのミステリ。
僕の先生は中学生! ひょんなことから大学のミス研に入った恐がりな僕は、家庭教師の生徒である隼人くんから古今東西のミステリー作品の講義を受けることに。出かけた先で遭遇する様々な「日常の謎」を2人で解決していくミステリー連作集。
気軽に読めるミステリとして。
たまーにこういうポップなの、読みたくなります。そして満足。あっという間に読めるのもいいです。
漱石とか忠臣蔵とかばっかり読むと漢字多くて疲れちゃうからね。
改行多くてサクサク謎が解ける爽快感があります。
位置: 575
全面的にうなずける意見ではないけど、隼人くんの言いたいことはよくわかる。そして彼がミステリーを好む理由も。しかし次の台詞を聞いたとき、僕の笑顔は引きつった。 「どうせ潰されて倒産するんなら、 矜持 くらいは示して欲しかったね。新刊の棚にだけ放火するとかさ。あ、いっそ『金閣寺』みたいに派手に燃やす?」
ブラックでチャーミングな先生。
アニメに出てきそうなテンプレぽさもステキ。
位置: 1,498
「でも、じゃあどうして奇数……上の段しか書いてなかったんだろう?」 ロッカーは上下二段あるのだから、その全てにカメラを仕掛けた方が効率がいいのではないか。その質問に対し、隼人くんが提示した答えはこれまた驚くべきものだった。 「それってきっと、下の段を使うような背丈の子供は好きじゃないからだよ」 「ええ?」 「だって受付の人は、小さい子供を連れた人には下段のキーを、それ以外の人には使いやすい上段を選んで渡してたんだ。それはしばらく観察してればわかることだし」 全然、これっぽっちもわかりませんでした。でも言われてみれば、僕らのそばにいた親子も下段を使ってたっけ。 「だから小学校高学年以上の女の子は、自動的に上段を使ってたはずだよ。あいつはそれを狙ったんだろうね」
ロリコンも細分化されているわけです。なるほど。
言われれば納得。この話が一番スキだったかな。
小学生の頃とか、まるで本とか読まなかったけど、こういうのに出会っていたらもうちょっと読書の魅力にハマった子どもになったかもね。
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