『ココロコネクト』を考える②

本日、読み終えました。

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目を覚ました時、太一はただ一人グラウンドにいた。人気もなく薄暗い校舎に怯えながら仲間を探す内に、ようやく伊織と合流する太一。そして二人は気づいてしまう。外に出ることができない『孤立空間』、そこで出会ったすべての人に現象が起きていると……。百人を超える生徒を積極的に取りまとめる生徒会長の香取、強制終了を避けるために動く文研部。だが現象が長引くにつれ、そこには不穏な空気が漂い始めていた--。愛と青春の五角形コメディ、完結。

いやー、11作品ですか。シリーズ読了。長かったけど、実際にかかった時間はそうでもないか。8時間位かしらん。

久々にライトノベルというやつを読みましたが、結構楽しめました。
いわゆる「ヤングアダルト」というやつで、ティーン向けなんでしょうな。33のおじさんが読むように出来ていないので、そこにゃちょっと背徳感があります。

トリック、ギミックは最高レベル

この作者の凄いところは、この様々な「現象」について、しっかりリアリティをもって語れているところでしょう。”ふうせんかずら”の視点で考えられている、とも言えますが、つまり、この壮大な思考実験の加害者側・被害者側の両方に読者を振り回せるだけの考察をもって取り組んでいるところです。

最終巻あたりの絶望感というのもエグく書かれてて、軽く戦慄を覚えました。良く出来てるわ。

文章力と展開力が課題かしら

一方で、文章にはやっぱり白けるところがありました。

「なんで一人でアクション映画ばりスタントやってるんだよ。キャラが違うだろうが」
at location 1154

筆者とあたくしは、実はそう歳は変わらないはずなんですが、それにしても「キャラ」とか「はずい」とかいう言葉の使い方には違和感を覚えます。

「お前そんなキャラじゃねぇだろ」とか「考えろっっっっっ!!」とか。

「お前は努力の方向を間違ってんだよ! 上手くやるとかやらないとか、本当の自分がどれとかどうだっていいことだろうがっ! なに理屈キャラのアタシを差し置いて無駄に考え過ぎてるんだよっ! 本当に大切なことはなにか考えろっっっ!」
at location 2759

そんな表現されたら、世界観に気持ちよく浸っていたのが台無しにもなりますよ。
アニメでもよく「◯◯だわよ」みたいな気持ち悪い語尾をするキャラクターが出ますが、あれは逆効果ですよね。急に嘘っぽくなる。

あと、ま、最後の方の展開は、想像の斜め下くらいで終わっていて、何だかちょっと残念。最後にどんでん返しとか、ないのね。

まとめ

とはいえ、これだけの長いラノベシリーズを読み切れたのは作品の面白さゆえ。
『とらドラ!』以来かな。『人類は衰退しました』も読み切れてはないし。

面白かったです。青臭くって鼻白むときも多いけどね。

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