もはやイーガンなど容易く思える。
明治期の文学者、夏目漱石の長編小説。初出は「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」[1907(明治40)年]。1907年、漱石は小説家として生きる決意を固め、東京帝国大学を辞職して朝日新聞社に入社した。この作品は入社後はじめての新聞連載小説。誇り高い自我を持つヒロイン藤尾は親の決めた相手ではない男と結婚しようとするが、義理の兄が道義を守らせるために画策する。誇りを傷つけられた藤尾は自殺する。藤尾に象徴される近代文明を批判した作品とされるが、「悪」としての藤尾の人気は連載当時から高く、虞美人草ドレスという商品まで現れる社会現象となった。
どーも歴史的仮名遣いというのは苦手です。
どうしたもんでしょ、教養の無さを露呈するだけかもしれませんが、それでもやっぱり読みづらいものは読みづらい。
『こころ』や『三四郎』を読んで漱石を読んだ気になっているのは感心しませんが、それでも、やっぱり読みやすさは断然違う。『虞美人草』、『草枕』、むつかしいです、今のあたくしには。
しょうがない、とりあえず、今は戦線撤退といきます。「わからない」ということを受け止め、精進して、また挑もうと思います。なあに、漱石は逃げない。
山を下りて近江の野に入れば宗近君の世界である。高い、暗い、日のあたらぬ所から、うららかな春の世を、寄り付けぬ遠くに眺めているのが甲野さんの世界である。
at location 272
その筆の描く、世界の描写にはうっとりするんですけどね……。それ以上のものは、入ってこないんだなぁ。
再挑戦!を誓って、今は本を置きます。
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