『SAVE THE CATの法則』感想2　なるほど癪だが参考になる

創作って大変。

位置: 455
でも、正直に言うと、先にタイトルを思いついてしまい、それに合うようなストーリーを作ることもある。実は「Nuclear Family」もそうだった。最初にタイトルを思いつき、その後で皮肉なひねりを加えた。Nuclear（核）といっても、「小家族」という意味での核家族だけでなく、「放射能」という意味の核を付け加えたのである。そうしたらログラインはこうなった。〈仲の悪い一家が核廃棄物の埋め立て地でキャンプするが、翌朝目が覚めると超人的パワーが身についていた〉。

核家族の核と放射能をかけたわけ。面白いですね、日本語でも分かる。

位置: 611
Game １－ａ笑える『　　　　　　　』ドラマ、スリラー、ホラーのどれかを選んで、それをコメディーに変えてみよう。たとえば笑える『クリスティーン』（ 84）なんてどうだ？　気弱な青年が一目ぼれして買った車が人生を滅ぼすというホラーを、コメディーに変えるとどうなるか？　車がデート中に口を挟んできて、いろいろアドバイスするなんて設定に変えれば、とたんにコメディーになる。

面白い。アレンジはゼロから作るのより遥かにやりやすいからね。程度を問わなければ。

位置: 629
Game ４『　　　　　　』 VS. 『　　　　　　』!!! ドラマでもコメディーでもＯＫ。何か重要な問題を巡って敵対する立場になってしまったカップルを考えてみよう。小さな町に新しくできた売春宿の是非をめぐって、住民の意見が真っ二つに分かれているとき、恋に落ちる売春婦と牧師とか。
Game ５うちの『　　　　　　』は連続殺人鬼ドラマでもコメディーでもＯＫ。とても連続殺人鬼には思えない人、動物、物を挙げてみよう。たとえば〈うちの部長は連続殺人鬼〉。会社に死体が届くたびになぜか部長は昇進していく……。もしかしたら彼が連続殺人鬼なのか？

こういう考えるキッカケを用意してくれるのは本当に面白いよね。ロミオとジュリエットや奥様は魔女とかもこれの源流にあたるのかね。

位置: 752
『ジョーズ』、『エクソシスト』、『エイリアン』の共通項は何か？　これらはすべて、《家のなかのモンスター》という（私が命名した）ジャンルに属すということだ。

位置: 770
基本ルールは、いたって単純だ。まず〈家〉は逃げ場のない空間であること。たとえば海岸沿いの町、宇宙船のなか、恐竜の走り回る未来のディズニーランド、家庭など。そこで犯罪が起き──たいていの原因は人間のどん欲さ（金銭欲や物欲など）にある──その結果モンスターが生まれる。モンスターは罪を犯した奴に復讐しようとし、罪に気づいた人間は多めに見る。それ以外の人間は〈とにかく走って逃げ、隠れる〉のである。このモンスターにどんな新鮮味やひねりを加えて〈あっ！〉と言わせられるか……。これこそ、映画という大樹に新たな花を咲かせたいと願う野心的な脚本家の腕の見せ所である。

不可避な状況での遭遇ってことですね。これはコメディでもいえる。その場にいるしかないから起こる恐怖か笑いか。「多め」ではなく「大目」かな。

黄色のハイライト | 位置: 797
《金の羊毛》という言葉はギリシャ神話に由来する。英雄イアソンとアルゴ船隊員がコルキスからやっとの思いで盗みだした金の羊毛のことだ。つまり、主人公は何かを求めて〈旅に出る〉のだが、最終的に発見するのは別のもの＝自分自身というストーリーである。

「行って、大きくなって、帰ってくる」話。これも王道だね。

位置: 860
《魔法のランプ》の基本ルールをまとめてみよう。主人公はシンデレラのようにひどい扱いを受けていることが多く、だからこそ主人公の願いが叶い、幸せになってくれることを願う。けれど人間の性として、どんなに哀れで同情できる主人公であっても、成功し続けると鼻についてくる。だから主人公は最終的に、魔法よりも普通の人間──つまり観客と同じ人間──でいるのが一番だと気づくようになっている。そもそも現実には魔法なんてあり得ないのだから。そして最後には「一番大切なのは、道徳に適った行ないをすることだ」という教訓が用意されているのである。

最後に教訓が用意されているのも楽ちんな要素だよね。結局、幸せは自分で掴み取るものだ、みたいなね。落とし所が明確だからね。