『SAVE THE CATの法則』感想3 なるほど癪だが参考になる

格調高い翻訳調が好きなあたくしですが、この手の軽いアメリカノリには乗れない。陽キャじゃなきゃだめってことか。

位置: 958
もし《バディとの友情》の脚本を書きたいなら、このジャンルの構成やパターンをしっかり理解することだ。DVDを何十本も見て、じっくり研究してほしい。こんなにパターンがそっくりだったんだ! と驚くはずだ。これってもしかして盗作?と思うくらいに。サンドラ・ブロックはキャサリン・ヘップバーンそっくりじゃない? ケーリー・グラントはヒュー・グラントを著作権侵害で訴えたほうがいいんじゃない? 答えはもちろん、ノー。単にストーリーテリングがうまいだけ。じゃ、なぜこんなに似てしまうわけ?
そのパターンだったら、必ずうまくいくってわかっているからだ。

全く黄金率なんですね。そしてみんな、同じプロットを何度も見て何度も泣くわけだ。すごいね。

位置: 969
〈なぜやったのか?〉の名作『市民ケーン』( 41) では、人間の心の奥底を探り、予想もしなかった暗く醜い何かが暴かれる。まさに〈なぜ〉やったのか?の答えである。
《なぜやったのか?》のなかで、おそらく最高傑作であり、秀逸な脚本のお手本ともいうべきは、『チャイナタウン』だろう。

そういえば、両方とも未視聴だわ。これを気にちゃんと観ておこう。

位置: 1,167
しかも ストーリーのテーマを伝える主人公を作りだそう。主人公は人間でも物でもいい。そして読者の心をつかむような言葉(形容詞) を使ってその主人公をうまく描写し、ログラインに組み込む。たとえば、超安全志向の教師……集会所恐怖症の速記者……気弱な銀行員など。悪役も同じだ。過保護な警官……誇大妄想癖のあるテロリスト……人殺しでもしそうなパン屋など。次の三点も〈完璧な〉ログラインを作るのに必要な項目に付け加えておこう。
主人公を描写する的確な形容詞
悪役を描写する的確な形容詞
人間だったらだれでも共感する原始的な目的
主人公にちょっとした形容詞を加えるだけで──主人公の目的達成を阻む悪役にも──人物像が明確になり、ストーリーも理解しやすくなって観客の関心は高まる。

キャッチーなフレーズをつける、というのは映画の手法でしょうね。2時間だから、それでいい。物語が長くなると、それは味付け濃すぎになる気もします。でも8万字くらいならそれくらいでいいのかも。

位置: 1,266
私たちが相手にしているのは、誰もが楽しめるハイ・コンセプトな映画であり、国を超えた世界市場なのだ。だから自分の好みのタイプの主人公だったら、誰でも気にいるだろうなんて思いこんじゃいけない。

よくやる間違いですよ。ただ、自分が好まないものを作るのは面白くないでしょう。プロだからそれをやるだけで。

位置: 1,277
主人公が決まったら、次は主人公の動機だ。動機はあくまで原始的でなければいけない。

落語と一緒だ。楽して金がほしい、いい異性と寝たい、そういう原始的な欲求が大切。共感をよぶわけだ。

位置: 1,542
ブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)
脚本のタイトル:
ジャンル:
日付:

  1. オープニング・イメージ(1)
  2. テーマの提示(5)
  3. セットアップ(1〜 10)
  4. きっかけ(12)
  5. 悩みのとき( 12〜 25)
  6. 第一ターニング・ポイント( 25)
  7. サブプロット( 30)
  8. お楽しみ( 30〜 55)
  9. ミッド・ポイント( 55)
  10. 迫り来る悪い奴ら( 55〜 75)
  11. すべてを失って( 75)
  12. 心の暗闇( 75〜 85)
  13. 第二ターニング・ポイント( 85)
  14. フィナーレ( 85〜 110)
  15. ファイナル・イメージ( 110)

ターニングポイントを前半1/4でつくる、など、簡単創作キットですね。ま、これを使ったものに満たない台本が山程あることを考えると、これで作っときゃいいってのも真理なのかもしれない。

位置: 1,613
優秀な脚本はコメディーであれ、ドラマであれ、SFであれ、必ず〈何かについて〉主張している。しかも冒頭で!

金太郎飴だ。

位置: 1,631
主人公に必要なものや欠けている部分がある場合、それを見せるのもこのセットアップだ。私はこれを 直すべき六つのこと と呼んでいる。ただし六つというのは私が勝手に決めた数字なので別の数字にしてくれてもかまわない。重要なのは、ここで主人公に足りないものをしっかりと 見せる ──もう一度繰り返そう、見せる──ことだ。 直すべき六つのこと は、 繰り返しのモチーフ や 伏線 として使われることもあり、また時限爆弾と同様にやがて爆発して主人公の身に災いが降りかかったりする。けれど最後には直っていくものだ。

最終的にどうなるべきなのか、終着点を見せるというテクニックね。入り口とゴールを序盤にみせておけば、あとは安心して観ていられる。なるほど、親切なことだ。

位置: 1,656
セットアップでは〈使用前〉の世界がどんなものかを観客に伝えた。きっかけでは、その世界をぶっつぶすのである。ドッカーンと!

位置: 1,671
きっかけは──一二ページ。絶対に。

確かにきっかけは大切。しかしタイミングがバッチリ決まっているというのもなんだな。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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