お決まりの型は大切。
位置: 1,789
《ミッド・ポイント》からは〈 いきなり危険度がアップ〉するのである。もうお楽しみは終わり、元のストーリーに戻るわけだ。もし《ミッド・ポイント》が〈見せかけの勝利〉になっている場合、主人公は望むものすべてを手に入れた気になっている。けれどもこれはあくまでも見せかけの、一時的な勝利だ。なぜなら主人公はまだまだこれから本物の教訓を学ばなければならないからだ。この時点ではすべてが素晴らしく 見える だけの話である。
一時的に勝った気になる展開、あるあるですね。
ここからもう一度、主人公は成長をみせる。手にしたものは本物ではなかった、ってな。
このあと、本当の黒幕が出てきたりしてね。
位置: 1,800
《ミッド・ポイント》とは、見せかけの勝利か、見せかけの敗北かのいずれかであり、《すべてを失って》はその逆になるのである。
どっちの話もすきだなぁ。上げて落とすか、下げて上げるか。
どっちにしてもジェットコースター的展開でいい。映像的。
位置: 1,878
《第二ターニング・ポイント》は、メインプロット(Aストーリー) とサブプロット(Bストーリー) が出会う地点で、それによって主人公はついに解決策を見出す。あとは実行するのみだ。
メインプロットとサブプロットが融合するときの古典的なパターンに、主人公が好きな〈女の子〉から解決のためのヒントをもらうというのがある。このヒントによって、主人公は二つの問題──悪い奴らをやっつけ、しかも大好きな女の子のハートも射止める──を解決する方法を考え……。
この瞬間って気持ちいいですよね。それだ!ってなるやつ。
位置: 2,382
《SAVE THE CAT!》とは、〈主人公が置かれた状況に観客が最初から〈共感〉できるように気をつける〉ということだ。
共感を大切に、ってね。落語もプレゼンも一緒だ。
まずは演者と同じ気持ちになってもらう。
位置: 2,384
『パルプ・フィクション』の冒頭で、観客はジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンに出会う。二人は〈主人公〉だが、薬物中毒でしかも殺し屋というとんでもない連中である(さらに髪形も最悪)。まあ、ふつうは好きになれない。じゃあクエンティン・タランティーノはこの主人公をどう処理したか? 実に賢いワザを効かせたのである。二人を愉快で無邪気な人間として描いたのだ。フランスのマクドナルドで売ってるハンバーガーについての二人の会話は爆笑ものだし、子供のようにどこか無邪気だ。つまりこのシーンを見たとたん、観客は二人に好感をもち──これから人殺しに行くような奴なのに──〈共感〉してしまうのである。
愛らしさというか無邪気さというか、そういうものが大切ね。
あたくしの作る物語の主人公らは、大概これがない。
あたくしの内面の誇張で出来ているからね。共感出来ない人にはずっと出来ないだろうな。
それじゃ売れない。
位置: 2,417
やっと追っ手をまいて路地へと逃げ込んだアラジンは、早速盗んだパンを食べようとする。ところが目の前には同じくお腹をすかせた子供たちがいるじゃないか。するとアラジンはパンを彼らにあげるのだ。これで観客の心はアラジンと〈一緒〉になる。
アラジンも共感を大切にしている。なるほど、そうかもしれない。やはりそのためにマクラがあり、save the catがあるわけだ。
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