『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』感想 ほんとうに優しいし易しい

数あるワクチン本の一つ。
とりあえずいくつか読んでみようと思い購入。

森戸やすみ先生、色々書かれていますが、どれも読みやすい。

小児科専門医が、ワクチンとは何か、どんな成分が入っているのか、どんな病気を予防できるのか、どんなメリットとデメリットがあるかなどについて、できる限り「正確に」、さらに「易しく」「優しく」解説した一冊。

「正確に」ってのに価値観が入る時代だからなぁ。

P68
さらに、海外も含めごく一部の保護者の間では、小さな子どもが麻疹や水痘などの感染症に かかると、隔離するのではなく、反対に感染させるために子どもたちを集めて遊ばせる「麻疹 (水痘) パーティ」「感染症パーティ」が行われることもあると聞きます。感染症にかかって苦 しんだ後には自然と抗体が付くかもしれませんが、恐ろしい合併症を起こして後遺症が残った り、命を失ったりするリスクは、ワクチンの副作用よりもずっと大きいのです。いったい何の ために免疫を付けるのでしょうか。

ワクチンの本来の目的は、強い免疫(抗体)を付けることではなく、感染症によって重大な 後遺症を負ったり、亡くなったりするのを予防することです。結果的に強い抗体が付いたとし ても、それ以前に重大な後遺症を負ったり、もしくは亡くなったりしてしまえば本末転倒です。 そして自然に感染したからといって、必ずしも強い抗体が付き、その効果が続くというわけで もありません。

ワクチンそのものよりも、ワクチンに入っているウィルスの他のものが怖い、というのはウチのカミさんの言。

p74
ですから、免疫抑制状態にある人たちを守るためには、まわりの多くの人たちが予防接種を する必要があるのです。これを「コクーン戦略」と呼びます。コクーンというのは繭のこと。「ま わりの人がワクチンを接種することで、ワクチンを接種できない人たちを繭に包まれた状態に して感染から守る」というものです。

集団免疫ってやつですね。
しかしこれは、価値観が多様化する中では本当に大変。

p118
グーグルなどは、最近では検索アルゴリズムを変えて必ずしも医学的に正しくない情報は上 位に表示されないようにしているようですが、それでも完璧とはいえません。ですから、特定 のサイトのみを検索しましょう。検索窓にキーワードと「site:」と検索したいサイトのURL をつけて検索します。例えば、インフルエンザワクチンの情報を国立感染症研究所のサイトの みで探したい場合は「インフルエンザワクチン site:https://www.niid.go.jp」と検索すれば いいのです。政府機関や大学などで調べる場合は「site:go.jp OR site:ac.jp」です。

そもそも、インターネットの検索機能は、世界中で同じ結果が出るわけではありません。多 くの検索サイトは、ユーザーが検索した過去のキーワードから、「各ユーザーが見たくない情 報を遮断」するアルゴリズムを持っています。「遮断 (フィルター)」のせいで、「泡(バブル)」 が立ちはだかり、自分の見たい偏った情報しか見られなくなってしまうことを「フィルターバ ブル」といいます。

いわゆる陰謀論とか「しか」信じられなくなる人のことですね。
でも自分からバブルを破るのは、結構至難の業なんじゃないかしらね。

本自体は、非常にわかりやすく、かつ親切でした。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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