『人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本』感想 稲田さんに圧倒されたけど、タイトルに品がない

いや、これ読んでいると、めっちゃ腹減るですよ。

食べログ3.7以上の店を経営するプロも唸った! 有名チェーン絶品メニューのカラクリを明かす

多くの人が普段から利用するであろう「飲食チェーン店」。
「チェーン店なんておいしくない」「安くて便利だから仕方なく使うだけ」「時間も金もないからこんなところで飯を食べている」
といったネガティブなイメージを持っている人が多いのではないだろうか。

しかし、複数の飲食チェーンを経営するプロは、チェーン店は実は「宝の山」だと指摘する。

サイゼリヤのオリーブオイルと粉チーズがスゴい! 本格派デニーズのデリーチキンカレー! バーミヤンラーメンのスープはダシが絶品! マクドナルドの肉はケッチャップ抜きがうまい ご飯が食べたくなる松屋のニンニクの秘密etc

筆者が実際食べて見つけた知ると行きたくなる秘密が満載の1冊だ。

外食はリスクばかりだ、という本も沢山ある中で、あたくしはファミレス礼賛の本も愛読しています。しかし今回もめちゃ線引きまくってしまった。

サイゼリアに見る「チェーン店進化論」

位置: 68
チェーン店に限らず飲食店で安い料理を提供しようとしたら、当たり前ですがコストを削らなければいけません。コストを削れば料理は味気ないものになってしまいがちです。なので、安さを追求するレストランは(あるいはコンビニやファストフードなんかでもそうですが)味気なくなった部分を別の何らかの方法で補おうと躍起になるのが普通です。
(中略)
サイゼリヤが独特なのは、そういう「おいしさの上げ底」みたいなことをあえてやらないというスタンスを、頑なに守っているところにあります。

確かにサイゼリアは美味すぎない。美味いんだけど、過ぎない。

位置: 116
「サイゼリヤはパスタやドリアを食べる人たちの財布でうまい塩蔵肉やら気の利いた小皿をつまみに上等なワインをたらふく飲む店だね」

しかし、反論も少し。
コスパの話は、あたくしはみっともないので好きじゃない。
何をどう食おうが勝手だし、食いたいものを食う、以上のウンチクは邪魔だという食欲至上主義的なところがありましてね。頭で食うのは性に合わない。

位置: 216
本格的なイタリアンのコース料理では、

アンティパスト(前菜)→プリモ・ピアット(パスタ)→セコンド・ピアット(肉料理などの主菜)→ドルチェ(デザート)

という料理進行が基本になることは今や多くの方がご存じのことかと思います。

(……知らなかった)

位置: 243
前菜、デザート、そしてもちろんパスタも含めてサイゼリヤのメニューは、イタリア本場志向の本格的な商品と、いかにもファミレス然とした商品と、さらには一部、おそらくは典型的な昭和の洋食レストランであった創業当時の流れを汲むと思われる商品が自然に混在しています。

確かに、急にハンバーグあって、びっくりしましたね。ハンバーグってイタリア料理なのか?ってね。

位置: 312
そしてそんな彼らがサイゼリヤのパスタ史上最も高く評価したのではないかと思われる名作があります。それがアマトリチャーナビアンコです。

し、知らない……。しかし写真みるとメチャ美味そう……。
イタリア中部の町名を冠にするパスタだそう。食べてみたいな。

位置: 362
コアなエスニック愛好家は基本的に誰もが原理主義者的な一面を持ちますが、同時に行きすぎたあまりに非生産的な狭量さに向かうことに対しては、それこそ「宗教的」である、という理由で批判的であったりもします。

何事もそうなるよね。盲信の部分を極力排除したいね。

位置: 452
プロシュート、サラミとくればもう一つ忘れてはならないのが「野菜ソースのグリルソーセージ」です。プロシュートやサラミとは違い、写真やネーミング、キャプションから特別な印象はありませんが、これもまた個性ある素晴らしい一品です。

全然印象にない……。辛味チキンやシュリンプの影に隠れて、今まで注目してこなかったですが、いや、しかし、今度試してみます。まだまだ開拓心が足りない。

位置: 474
フレッシュなモッツァレラチーズは今や日本でもすっかり浸透しましたが、サイゼリヤではかなり早い段階からこれをオンメニューしていました。しかも国内では一般的な牛乳が原料のものではなく、より伝統的かつ貴重な水牛乳のものです。

この「伝統」というのを、守るところで守っているのがサイゼリアの偉いところ。かっこいい。伝統と大衆人気を両立するバランス感覚ですね。さすがです。

位置: 490
ちなみにこのサラダには黙っているとドレッシングをかけられて出てくるのですが、個人的にはオーダーの際に「ドレッシング抜き」とコールすることを強くおすすめします。そしてそれを(もちろん室温に戻した後)、塩とオリーブオイルだけで食べるのです。実はサイゼリヤの公式サイトの商品紹介にも「ドレッシング不要の方はお申し出ください」とわざわざ書いてあってびっくりしました。

これを読んで以来、あたくしもサラダは必ずドレッシング抜きですね。
チーズやサラミと一緒に食べても良し。

位置: 497
裏技をもう一つ。バッファローモッツァレラを使ったメニューにはピザもあります。マルゲリータピザとバッファローモッツァレラのピザの2種類です。私のおすすめは後者です。どちらもトマトソースとチーズだけのシンプルなピザですが、後者のバッファローモッツァレラのピザにはマルゲリータピザの3倍のモッツァレラが使われています。
ここからが大事です。このピザにはモッツァレラだけでなく同時に普通のピザ用チーズも使われているのですが、オーダーの際にはぜひ「普通のチーズは抜きで」とコールしてみてください。チーズの総量は減るのですが、純度100%のモッツァレラ風味が楽しめます。

やるなぁ。総量を減らしてでもこだわる。まだまだ量にこだわる自分には早いかもしれない。しかし、そのうちやってみようか。

位置: 554
同じサラダカテゴリーでいうと、わかめサラダが昔からずっと定番なのは不思議です。コーンスープやハンバーグに関しては「一応ファミレスとして置かないわけにいかないものは押さえておきました」という印象ですが、エスカルゴあたりはよく考えるとかなり不思議です。実はイタリアンとはあまり関係ないですし、ファミレスらしいキャッチーな商品というわけでもありません。

そのへんがまた良いんじゃないか。ファミレスと本場イタリアンの豪華共演。これがサイゼリアですね。

位置: 562
ミラノにミラノ風ドリアはないだろう、と今さら突っ込むのも野暮かもしれませんが、不思議です。なぜイタリア料理でもなんでもないドリアが看板メニューなのか。

言われてみれば確かに。調べて初めてわかったんですが、ドリアは日本初のメニューなんだとか。もはや洋食ですらないらしい。ミラノ風、という怪しいフレーズもまた。

位置: 621
オリーブオイルと同様に、サイゼリヤではチーズも簡単に増量することは可能ですが、それには二通りの方法があります。100円の「削りたてペコリーノチーズ」か調味料コーナーに置いてある無料の「グランモラビアチーズ」です。
サイゼリヤのメニューで初めてペコリーノチーズを発見したときは衝撃でした。フレッシュな粉チーズを有償で提供するということ自体がファミレスらしからぬ本格志向的な英断だったのはもちろんですが、それが日本では圧倒的に有名な「パルミジャーノ」ではなく、はるかにマニアックな「ペコリーノ」だったというのが何より驚きだったのです。

パルミジャーノペコリーノ
この間試しに頼んでみましたが、ペコリーノ確かに美味しい。塩気があってね。

位置: 668
これにより私の方針は固まりました。
「迷ったらペコリーノ」
グランモラビアのほうが合う料理もあります。グランモラビア「で」十分ということもあります。しかし、どちらか少しでも迷ったらペコリーノを注文しようという宣言です。これは、サイゼリヤに今後もグランモラビアの無料提供を続けてもらうためのいわば「お布施」の意味も含んでいます。

あたくし、こういうの大好きなんですよ。お布施ってね。
好きなものにはお金を落としたい性分でね。あたくしも積極的にペコリーノ頼んでいきます。

何より、美味しいしね。

位置: 690
サイゼリヤのアーリオ・オーリオは、ガーリックオイルと調味料だけで調理された、具は一切入らない極めてシンプルなスパゲッティ。もっとわかりやすく言うと、ペペロンチーノから唐辛子を抜いたものです。

これはレベル高い自由さ。アーリオ・オーリオ。にんにくとオリーブオイル。
つまりそれだけってこと。すごい。FF5のすっぴんだ。

 位置: 868
フォッカチオは、ぜひ前述した「悪魔のディップ」をたっぷりつけてお楽しみください。オリーブオイルとグランモラビアチーズを練り合わせてそこに黒胡椒です。

無限列車じゃないの。練り合わせるひと手間が楽しそう。今度やってみよう。

第2章 食のプロが唸ったファミレスチェーンのポイント

位置: 930
このところ「普通においしい」という表現をとてもよく目にします。一見、何の変哲もない日本語ですけど、案外新しい表現だと思うのは私だけではないと思います。「普通においしい」という表現、その言わんとするところはよく伝わってきます。そういう意味ではシンプルで優れた、そして便利な表現という気もするのですが、なんと言いますか、その食べ物を一生懸命作ってくれた人に対してそういう一言で報いるのは失礼な気がするのです。極端な話「普通においしい」と発言するのは何も発言していないのと同じか、もしくは「特に語るほどの価値はありません」と無情に宣告しているのと同じに感じるのです。

まぁ、それは言い過ぎのような気がしますが、賛辞として不十分なのは間違いないでしょう。「おいしい」でいいはず。「普通に」という形容詞、普通に使われるようになりましたね。意外性がないのが面白みにかけるけど、的なニュアンスも含まれますかね。

位置: 971
サイゼリヤに比べてガストが何か決定的に劣るのかと言われれば決してそんなことはありません。こと品質に関しては決して勝るとも劣らないと思います。正直、パスタやピザに関しては、ちょっとこれは今さら言いづらいのですが、ガストのほうがサイゼリヤよりおいしいと思います。

ちょっと、稲田さん、それは本当ですか。。。
ガストのパスタ? いや、ガスト行ってパスタ食べたことないけど。試してみるか。

位置: 979
ガストはまったく隙がありません。3日続けて訪問し店内やメニューを隅から隅まで確認して、改めてそのことを痛感しました。なんとかツッコミどころを発見し、そこから「隠された魅力」みたいなものを掘り起こそうと、よこしまな目線で舐め回してもどこにもそんな糸口はないんですね。そこにはある種の芸術的とも言える、長年積み上げてきたファミレスという文化の洗練の極みがあるだけでした。

それは言い過ぎのような気もしますが、確かに隙はないかも。
ファミレスとして完成している、というのは思いますね。料理のクオリティを除けば。

位置: 1,007
カレー研究家の水野仁輔さんが以前、非常に興味深いことをおっしゃっていました。
「おいしいカレーを作ったら、100人食べて100人全員が合格点の70点をつけてくれたとします。それではと張り切って今度は100点をつけてくれるように改良してさらにおいしいカレーを作ったら、今度は100人中70人は100点をつけてくれるけれど 30人はそれを受けつけず0点をつけざるを得ない、そういうことがしばしば起きるのです」
私自身もインド料理店をずっと運営しているので、これには文字通り腑に落ちます。

そういうもんなんかね。人に有料でご飯を出したことがほぼないので(屋台を除いて)、そのへんのニュアンスは正直わからないですね。

位置: 1,030
年々、競争が激化しているラーメン業界でも同じようなことがよく言われます。 10 人食べて 10 人全員がおいしいと判定するラーメンはもはや話題にもならないし、はやらない。ダメな人には全くダメ、というくらい好き嫌いの分かれる、はっきりとした個性を打ち出すくらいでちょうどいいんだ、ということのようです。

二郎とかってそういうことなんかね。
まぁ、言わんとすることは分かる。意識高いラーメンはもう、美味すぎて飽和している感じある。

位置: 1,203
しかし、そういったかつてのバーミヤンの「知られざる中国料理の魅力を、もっと日本に広めよう」という気概は、残念ながらほとんどのお客さんには伝わっていなかったのではないかと思います。

バーミヤンの魅力は、正直、フルに伝わってはいないでしょうね。
いまやソファのある町中華感。ピータン粥が好きですが、それ以上に目新しいことはなかったかと。

位置: 1,205
私は昔も今も、ファミレスに行くとお手洗いやドリンクバーを利用するついでにほかのお客さんのテーブルをさりげなく観察して、どういう人たちがどういうものを注文しているかを確認するのを常としているのですが、当時のそのバーミヤンでお客さんが注文しているのは圧倒的に「ラーメン・炒飯・餃子」という大衆中華3大アイテムでした。私はその様子を観察するたびに、おいおい、この店で選ぶべきはそこじゃないぞ、という焦燥感にも似た感情が湧いてきたものですが、現実はそうでした。

なるほど、ちょっとマニアックなモノを頼むのがバーミヤンの王道か。
今度意識してみます。

位置: 1,220
当時から私としては、バーミヤンとは「大衆中華を一般的な大衆中華店の3分の2の価格で提供する店」ではなく、「本格中華を高級中華店の3分の1の価格で提供する店」という認識でした。

ふむ、そう教えてくれる人がいなかったら、あたくしも間違えた認識のままでいるところでしたね。

位置: 1,228
それから程なくして、バーミヤンはメニューを大幅に変更しました。その内容は言うなれば「餃子の王将を思わせるようなより親しみやすいメニューをズラリと並べ、それぞれの単価をそれより少し安く設定する」といった印象を私は受けました。

あぁ、バーミヤンの個性が。

第3章 ファストフードを侮るなかれ

位置: 1,370
牛肉料理がおいしい店としてマクドナルドの名を挙げることに違和感のある人は多いと思います。マクドナルドに対する世間一般のイメージは、ありていに言えば「安いけどおいしくない」というものになりがちです。ハンバーガーのパティに関しても「薄っぺらくてパサパサでおいしくない」というような酷評を頻繁に目にします。この評価は果たして正当なものでしょうか。
これを考えるときに、日本人が持つ独特のハンバーグ観のようなものを抜きにしては語れません。多くの日本人にとっての理想のハンバーグとは何か? それはおおむねこんな感じではないでしょうか。
外はこんがり焼けているが中はふっくらと柔らかく、切ると溢れんばかりの肉汁が流れ出す。
日本のハンバーグは常にこの理想型を目指して進化してきたと言っても過言ではないでしょう。

昨日、あたくしマクドナルド行って来ました。
パティ、美味しかった。以前のような貧弱な印象はなく。美味しんぼのハンバーガー回を思い出しましたね。

位置: 1,408
そんななか、2000年代半ばから、日本の牛肉料理をめぐる環境にはちょっとした変化が訪れます。それが主に外食産業を中心とする「肉ブーム」です。この特徴としては、高級な霜降り和牛よりむしろワイルドな赤身肉が急速にフォーカスされたということ。

確かに、熟成肉だのステーキだの、色々ブームはありました。あたくしはあんまり乗っかりませんでしたが、高級肉バーガーとか食べたな。美味しかった。

位置: 1,416
この流れはステーキやローストビーフなどの塊肉の料理だけでなく、ハンバーグにも影響を及ぼします。「ふっくらジューシー、肉汁たっぷり」の優位性は相変わらずですが、同時に「牛肉100%の、赤身ステーキのように噛み締めるハンバーグ」の人気も急上昇しました。

なるほど、その路線で行くなら、マクドナルドにも勝機がある。

位置: 1,465
さて、この「びっくりするほどおいしいパティ」に加えて、クォーターパウンダーにはもうひとつ、とても重要なこだわりがありました。それが生タマネギです。え? 生タマネギはマクドナルドの普通のハンバーガーやチーズバーガーにも挟まっているのでは? と思った方がいるかもしれませんが、普通のバーガーのタマネギは実はフリーズドライを水で戻したもので、生タマネギとは似て非なるものです。クォーターパウンダーのためだけに用意されたフレッシュな生タマネギのピリっとした辛味やシャクッとした食感は、みっしりと濃い牛肉の味わいを引き立てる最高のスパイスでした。

細かいところ、みてるなぁ。生の玉ねぎって、結構クセが強くって苦手な時あるから気をつけないと。普通のハンバーガーの玉ねぎは辛くなくって安心だけどね。でもその辛味がクォーターパウンダーには合うのか。

位置: 1,475
クォーターパウンダーを最高においしく食べるために、客側の工夫があります。それが「ケチャップ抜き」です。ケチャップを抜くことで物足りない味になると思う方がいるかもしれませんが、そんなことは全くなく、牛肉の濃密な味わいをさらにダイレクトに楽しめるものになります。

またややこしいオペレーションを。
……でも今度頼んでみようかしら。

位置: 1,487
それは決して「安かろう悪かろう」ではなく、マクドナルドならではの新しい価値の提案でした。先に私は「クォーターパウンダーは世の中のグルメバーガーと互角以上に戦えていた」と書いたのは、そういう意味です。マクドナルドは競争の軸をずらして戦いを挑んだ。しかもそれは、ハンバーガー本来の価値とは何かという、いわばより本質的な方向への「ずらし」でした。クォーターパウンダーはある意味、どんなグルメバーガーよりハンバーガーらしいハンバーガーだったのかもしれません。

月見バーガーとかは、まぁ確かに蛇足でありますね。
ハンバーガーの王道はクオーターパウンダー。パテと肉の共演です。真っ向勝負の作品。

グランクラブハウス、ってのもその王道の系譜でしょうね。

位置: 1,552
ありがたいことに、ダブルチーズバーガーもこのサービスの対象商品です。つまり、プラス100円でパティが4枚になる。今のところ、私にとってクォーターパウンダーの後釜はこれ一択。パティ4枚ということはクォーターパウンダーとダブルクォーターパウンダーの中間くらいの肉量。ちょうどいい感じです。

夜マックの話。ダブルチーズバーガーの肉増し。これマクドナルドの肉を味わい尽くす最強の手段ですね。

位置: 1,556
「ダブルチーズバーガーパティ2倍」は、クォーターパウンダーと同様、ケチャップ抜きが絶対におすすめです。

店員泣かせだなぁ。

位置: 1,618
唐突ですが「ハンバーガーと同じ丸いバンズに白身魚のフライが挟まった料理」を皆さんは何と呼びますか? マクドナルドでは「フィレオフィッシュ」ですが、他の多くのハンバーガー屋さんでは「フィッシュバーガー」です。しかしこのフィッシュバーガーという呼称は「間違い」です。なぜならバーガーという言葉は「ハンバーグ」が変化したものなので、フィレオフィッシュという名称が商標登録されていて使えないにしても、「フィッシュサンド」とかでなくてはいけません。チキンバーガーも海老バーガーも同様です。
マクドナルドは基本的にこの種の「間違い」を許しません。チキンバーガーではなくあくまでチキンフィレオ、チキンクリスプなのです。ただしマクドナルドは過去に一度だけこの禁を犯しました。それがグラタンコロッケバーガー。しかし、現在のメニューをよく見てください。グラタンコロッケバーガーという名称はありません。いつのまにか正式名称は「グラコロ」になっています。きっとマクドナルドとしても数年にわたる胸のつかえが取れたのではないかと思います。そういう「正しさ」に対する頑なさもまたマクドナルドの魅力です。

そういう「どうでもいいようなこと」に美学が入ってるのはよくあること。
そう言われると……マック食いたくなるなぁ。

位置: 1,631
そもそも最初に日本進出を果たしたときも、経営側の日本人はハンバーガーからピクルスを外すことを最後の最後まで強く主張したけど米国本部側は頑なにこれを拒否したというエピソードがあるそうです。当時の日本人にとってディルの効いた酸っぱいピクルスはなじみのない味わいでした。実際、当初はハンバーガーからピクルスを引っ張り出して残すお客さんも多かったようです。ことベーシックな商品に関しては安易なローカライズは許さないという硬派な姿勢は今でも連綿と受け継がれているように思います。

これは聞いたことありますね。ピクルス、あたくし大好きだけどね。
美味いピクルスは本当に美味い。

位置: 1,646
しかし、M氏はこう指摘します。 「バーガーキングのハンバーガーは、ハンバーガーチェーンのなかでも最もオーソドックスなアメリカンスタイルの正統派。

日本人はハンバーガー嫌いなんじゃないか説。
変化球ばかりウケて、クオーターパウンダーなどの直球はウケない。

なるほど、そうかもしれません。世間のことは知りませんが、確かに惣菜パンなどの延長で親しみやすい感じはありますよね。

位置: 1,749
しかし聞くところによると、大抵のフードコートでケンタッキーは、実はトータルの月間売り上げが常にトップクラスだそうです。理由は、他の店がだいたいランチタイムに集中するのに比べてケンタッキーは全時間帯で満遍なく売り上げがあり、しかもファミリーパックなどのまとめ買いで持ち帰るパターンが多いこともあって客単価も高い。食事なのかおやつなのかはっきりしないから、いかにも食事どきという時間帯に目立って利用はされませんが、何だかんだケンタッキーが「ヤミツキ」になっている人は多く、チャンスを見つけてはそれを食べたがっているのかもしれません。

その視点は新しいなー。確かにおやつにも食事にもなる。つまみにもなる。
今夜ケンタッキーで一杯やりたいな。UberEatsやってくれるかな。

位置: 1,830
なか卯の牛丼はこれらの中でおそらく最も「濃い味」の牛丼です。かつてなか卯の牛丼は最も薄味であっさりしていました。

だよね、いつの間にか濃くなったな、と思ったんだ。あんまり同意は得られなかったけどね。らんぷ亭とか、好きだったなぁ。

位置: 1,834
すき家の牛丼は、なか卯の和風牛丼が登場するまでは間違いなく最も濃い味の牛丼でした。すき家という店名の「すき」はすき焼きをイメージしてのものだと聞きます。

基本薄味が好き、というか薄味を好んで食べるようにしているのですが、すき焼きは濃くないとね。白菜とか入れちゃだめよ。

位置: 1,852
吉野家の味は大きくは変わっていませんが、それを取りまく世間の味は、実は大きく変わっています。簡単にいうと、この 30 年間で日本の食べ物の味付けは明らかに濃厚になっています。牛丼だけに限っても、後発のチェーン、後発の商品になるほど濃厚です。ラーメンも各種洋食も、そして実は和食だってそうなっています。
吉野家の牛丼は、 30 年前なら「今日は味の濃いパワフルなものを食べたい」というときの選択肢だったような気がします。しかし今では逆に「今日は気持ちややあっさり目にしときたいな」というときの選択肢になっているように思うのです。

外食はみんな、味付け濃いよね。それを求めちゃう我々消費者もいる。
一部の人だけが、薄味のマクロビオティック的なものを求めて高い金を払う。そういう構造になっている気がしますね。

しかし、昔はあれほど好んで食べていたラーメン、今ちょっと濃くて尻込みしちゃうもんね。

位置: 1,878
そこにかつてあったような独特な「粋」の世界のようなものが失われていることを嘆くオールドファンがいるかもしれません。吉野家が変わっていく過渡期に、ネットであるコピペが話題になりました。「昨日、近所の吉野家行ったんです。吉野家。」と始まり「吉野家ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。」と主張するそのコピペを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。それは、吉野家ならではの粋が失われつつあることを敏感に察知した一人のファンによる、ユーモアを隠れ蓑にした魂の抗議だったのではないかと今となっては感じています。

タイムリーな世代だからね。吉野家コピペ。でも、そういう雰囲気、あったなぁ。

ちなみに稲田さん、すごいのは吉野家の吉の字をちゃんと下が長いほうにしながら、コピペの引用のところはしっかり常用漢字にしているとこ。信頼できる。

位置: 1,885
粋といえば、反感を買うかもしれませんが、 吉野家で牛丼をカウンターに置いたまま背中を丸めて、箸じゃなくてスプーンで食べている男がいると、その後ろにまで行って後頭部をはたきながら「男がみっともねえ食い方してんじゃねえ」と一発かましたくなる衝動に駆られます。吉野家でスプーンが卓上に置かれるようになったのは最近です。

以前、ヤンキーがスプーンで食ってんのみて、箸使えや!って思ったんですが、そうですよね。昔は粋な場所だったな、吉野家。

位置: 1,891
先に牛丼各社の味の違いについて書きましたが、個人的意見として言えば、やっぱり 吉野家が一番おいしいと思います。都会的で洗練された味わい、と書きましたが、それもまた吉野家の粋。例のコピペではありませんがつゆだくは邪道。紅生姜ののせすぎも野暮ってもんです。

コピペは牛鮭を馬鹿にし、ねぎだくを推奨していましたけどね。そしてあたくしは紅生姜載せすぎに度々なるので、そこは気をつけないと。

ただ、吉野家で一杯、ってはいいもんです。モルツね。

位置: 1,985
日本人は昔に比べて米をあまり食べなくなったといいます。さらに最近では糖質制限とか一種の害悪のように言われることも少なくありません。しかしそんな世間の流れに逆らうかのように、松屋はいつだって私たちに米の飯を喰わせようと、突き進んでいるように見えます。そしてそれが松屋のカッコよさの核なのではないでしょうか。

松屋はいつだって米を食わせようとしてくれる。ありがたいね。

吉野家で牛皿で一杯、というのはよくやるけど、松屋ではやらないな。やっぱりあそこは米処なんだろうな。ドライビールしかないってのもあるけどね。

位置: 2,041
松屋のカレーはカレーマニアの評価が高いです。チェーン店では、特にカレーは老若男女を問わず受け入れられる無難なものを提供しがちですが、松屋はそういう配慮をあまりしません。端から見てても「カレー好きの開発者が自分の好きなカレーを勝手に作って売ってるだけ」みたいな印象です。そこがまた、マニアのツボをくすぐるんですね。

松屋のカレーはちょくちょく、チェックしています。
とうか、松屋はちょくちょくチェックしないと、すぐキャンペーン始まって終わるからなぁ。

位置: 2,106
例えば看板メニューであるカツ丼。かつやのカツ丼は関西風で、やや甘めで薄味のダシで仕立て意外なほどあっさりとしています。そして豚汁。これも一般的な豚汁より薄味で素材感のある丁寧な仕事だと思います。

あんまりかつやは食べませんが、なるほど、確かに上品さを感じた記憶があります。豚汁は薄味というよりは薄いって印象でしたね。

もっとガツンとくるかと思っていたので、ちょっと拍子抜けでした。
でも食べ終わる頃には「上品なとんかつや食った印象」に変わっていましたけどね。

位置: 2,209
からあげ定食を最高のものにするための企ては、から揚げそのものが纏う魅惑的な味変の外側にもあります。その一つが、卓上に置かれたイカの塩辛です。自由に使えるアイテムとして、漬物やふりかけといったものなら普通ですが、イカの塩辛とは前代未聞です。さらにもう一つ、見逃してはならないのがとろろ昆布入りの味噌汁です。私はこれがたいへん気に入っており、定食屋で追加料金を払ってお代わりしてしまう唯一の味噌汁です。
この二つのアイテムは、から揚げそのものより雄弁にこの店の美学を物語っています。

「からやま」ですね。塩辛と味噌汁か。なるほど。
今度確かめに行ってみる必要がありそうです。

すかいらーくグループの「から好し」といつも混合する。
かつや擁する「アークランドサービス」系列ですね。東京とろろそば、いつか行かなきゃと思っていたところです。

第4章 メジャーチェーンを脅かすライバルたち

位置: 2,350
このタイプのお店は、インド料理の看板を掲げていても実際はインド人ではなくネパール人が運営していることがほとんどです。というのもインドでは料理人は比較的ステイタスの高い職業。日本のレストランに招聘するにしてもそれなりのギャラを用意する必要があるのに対して、ネパール人は人件費がぐっと安くて済む、という事情もあるようです。

位置: 2,356
それもあって、昔からのインド料理ファンはこの店をインド人が営む純正インド料理店と区別して「インドネパール店」、もしくは略して「インネパ店」と呼びます。

日本にネパール料理が多い理由がわかりました。なるほど。インドではステイタスが高いから。確かにその視点はなかった。カースト制度の名残が原因なのね。

位置: 2,364
それもそのはず、インドネパール店というのは純正インド料理店のスタイルをベースに作り上げられた一種の発展系なのです。
ではその発展とはいかなるものか。ズバリそれは「徹底的に日本人の好みに合わせてローカライズされた」ということです。

なるほど、インネパはインド料理の日本ローカライズだと。
うちの近所にもインネパ店ありますね。ビールがアサヒだからあんまり行かないけど。

位置: 2,432
最近ではインドネパール店でも本格志向の料理を取り入れる店が出てきました。超本格インド料理店では定番となった「ビリヤニ」(インドの長粒米を使った炊き込みご飯)や純正ネパール料理店には必ずある「ダルバート」(独特な豆カレーを中心としたネパールの定食)といった料理がそれです。

ビリヤニは好き。昨日も食べました。
ダルバートは初耳。今度頼んでみなきゃ。

位置: 2,463
まずハンバーグの肉質が正反対です。どちらも中心に赤みを残したレアハンバーグですが、逆に言うとそこにしか共通点がありません。さわやかは、徹底的に脂身を削ぎ落とした赤身肉をしっかりと弾力が出るまで練りこんだもの。ブロンコビリーはごく粗挽きの肉に粒状の脂も混ぜ込み、粘りが出すぎないようにさっくりと成形されたものです。

静岡の「さわやか」vs東海の「ブロンコビリー」。
静岡は静かに鉄板激戦区だったわけだ。あたくしの家の近くにもブロンコビリーはあります。さわやかは流石にない。

しかし食べ比べたことはないなぁ。

位置: 2,536
富士そばは、いろんなところがちょっと変なのです。もちろん主要な商品はそばであり、一応うどんも選べて、かき揚げやコロッケなど揚げ物中心に定番のトッピングもあるオーソドックスな品揃えですが、そこには唐突に「カレーかつ丼」なんてものがあります。カレー丼でもカツカレーでもありません。これは、カレーライスの上に、甘辛いつゆで煮て卵でとじたカツ丼の具がのっているというものです。

ダイバーシティというのかな、こういうの。富士そばの魅力、もう少し積極的に堪能してもいいかもしれませんね。

位置: 2,569
富士そばは、首都圏エリア限定とはいえ、現在約130店舗を展開する大チェーンです。堂々たる優良企業です。それでいて、言うなれば人情味溢れるたたき上げのオヤジ(演歌好き)がその独特すぎる感性を店の隅々まで行き渡らせた、個人店の空気を濃密に残した店。東京の人は皆、富士そばが大好きだと思います。

首都圏限定なんだ。知らなかった。

位置: 2,634
果たして食べログの評価は本当に「アテにならない」のでしょうか? その問いに対する私の答えは「全てを鵜呑みにすべきではないが、全体としては十分すぎるくらい役に立つツールである」ということになります。
これを説明する前に、私の持論をひとつご紹介します。それはこういうものです。
「世の中には、食べることが好きな人と、食べることが異常に好きな人の2種類がいる」

確かに。自分は前者ですね。異常ではない。

位置: 2,641
その食べることが異常に好きな人たち同士の価値観は、さまざまなディテールの違いこそあれ、根本的な部分はとてもよく似ています。彼らはわかりやすくありがちで無難なおいしさよりも、その店ならではの個性を愛し、難しい味や知らない味も前向きに理解しようとします。

確かに。ありがちで無難な美味しさ、自分は大好きだからね。

位置: 2,713
あくまで個人的な基準ですが、スペイン料理に限らずイタリアンやフレンチあたりは「オイリー」「塩気が強い」「香草がキツい」系の低評価レビューがある店に大当たりが多いようです。和食や居酒屋の「料理によって当たり外れが大きい」は、使い方が少し難しいかもしれないけど楽しめる店。カレーやインド料理だと「コクや深みが感じられない」は、これは中華でもある程度共通します。中華といえばもう一つ「日本人には合わない」&「店員も客も中国人ばかり」のコンボも鉄板。ラーメン屋なら「ラーメンごときにこの値段はない」。あと老舗における「接客が最悪」も接待やデートでさえなければ狙い目。

現地の味に近いかどうか、というのを基準の一つにしていると、上記のようなレビューはありですね。

お笑いでもエンタメでも「評価も非評価も、同一争点になっているコンテンツは本物」というコンセンサスはあります。

位置: 2,741
そんな状況に違和感があった私は、数年前に「サイゼリヤ100%☆活用術」という記事を自身のブログでひっそりと発表しました。サイゼリヤに対する「安いだけが取りえ」「絶対にデートで行きたくない店」みたいな嘲笑に異を唱え、サイゼリヤは使い方ひとつで個人の専門店にも決して引けを取らない、むしろ部分的にはそれらを凌駕する一面を持つ素晴らしいレストランである、と力説したのです。

それはエポックな話。

全体的に熱量がすごすぎます。圧倒。めちゃくちゃマーカー引いちゃった。
強いて言えば、ちょっとタイトルに品がないかな。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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