漱石を萌え化した四コマです。
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昨今は本当にいろんなテーマの漫画が増えましたよね。
今まで敷居の高かったものも、漫画にするとぐっと読みやすくなるので、あたくしは大歓迎なのですが、単なる四コマ化にとどまらない作品というのもいくつかあって、こりゃあもう、歓迎どころの騒ぎではありません。
漱石が大好きな人が、漱石を萌え化して、四コマに載せる。
ストーリーはほぼ史実に忠実ですが、面白いように膨らませてある部分も多々ある。
同じ漱石ファンとして、一こま一こまが面白くて仕方ありません。
漱石についてのイメージを共有できている幸せ
奥さんである鏡子さんの著書、『漱石の思い出』や
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書簡(手紙)から
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漱石の人となりを想像し、漫画化する。
大したもんです。大体、あたくしが持っていたイメージと同じ。
気むずかしくって、それでいてミーハーで、可愛げがあるようなないような。
大げさかもしれませんが、そんなイメージを共有している人がいて、漫画にしてくれる人がいるという事実だけで、十分あたくしは幸せ。
「そうそう、漱石ってこういう愛おしいところ、あるんですよねー」
みたいな答え合わせをしながら読みます。
だからこの本を読んでいるときは自然と頷きが増える。
周囲の人間にもスポットライト
芥川や内田百閒といった超有名人はもちろん、寺田寅彦・狩野亨吉・小宮豊隆といった教科書に載っていない有名人にもちゃんとスポットライトがあたっています。
とにかく、丁寧なんですよね。登場人物の描き方が。
史実は史実として、そうじゃないところはなるべく史実に沿って、提供されていることが伺えます。こういうところ、好感度大です。
心配なのは、終わりはどうなるのかしらってぇことくらい。
坑夫や道草のあたりの漱石の心情を、どうやって漫画として描くのか。この辺りは技量が試されるところです。
松山や熊本の五高時代は、とはいえ明るいエピソードは多いのですが、晩年は……。
期待して読み進めたいと思います。
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