賛否が極端に分かれる男根文学です。
[amazonjs asin=”4344027787″ locale=”JP” title=”ぼくは愛を証明しようと思う。”]
渡辺正樹、27歳、弁理士。誠実でまじめなことが取り柄だが、恋愛ではいつも失敗ばかり。そんな僕が、ひょんなことから「恋愛工学」のマスターに出会う。そして、真実の愛を探す日々が始まった。男性たちに勇気を与え、女性たちを恋愛の呪縛から解き放つ。すぐに使えるまったく新しい恋愛小説!
元々、BLOGOSでやっていた彼のブログがあまりに刺激的すぎて、「随分と物語創作力の高い人だなぁ」と思って楽しみに読んでいたのですが、今回の作品に限って言えば、創作能力に限界が見られます。
展開の単調さ、伏線の稚拙さ、言い回しの陳腐さ。
どれもあのブログの藤沢さんが書いたものとは思えないほどです。
ゴーストライターかしら。
ポジショントークとか炎上商法は彼の十八番だとしても、それにしてもその言葉選びのセンスがひどい。
もっとブログじゃ面白かったのに。
やっぱり本として比べると作家とは2つも3つもランクが下がりますね。
「これから心理学の強力なテクニックを5つ教える。ペーシング、ミラーリング、バックトラック、イエスセット、それから最後の重要な必殺技だ」
location2106Aフェーズでやらなければいけないことは、まずは性的な無関心さを装い女の自動迎撃システムをくぐり抜ける。適度にディスって女に舐められないこと、そして、非モテコミット的な症状を避けてクールに振る舞いながらも、自分の魅力を相手に気づかせることだ
location306
わざわざ、これみよがしに横文字でペラペラ書き立てること。
これって知的アピールとしてとても低俗です。あえてなのかしら。
それとも、言葉を道具としてしか見ていないからかしら。
自分も非モテコミット人間だったなぁ
しかし、これだけ賛否が分かれるというのは、やはりこの「男の価値=セックスした女の数」という式にカチンと来る人が相当にいるから、ということでしょうな。
男女問わずにもそういうのにカチンと来る人がいて、僻みやらやっかみやらで大変なことになるでしょうね。
いまや妻も子供もいて、女難からは遠い存在のあたくし。
だからこそかもしれませんが、自分が非モテコミットしか出来ない人間であるということを、今は可愛らしく思っています。
ただ、自分が童貞だった頃はこれ読んで衝撃ウケていたでしょうねぇ。
「バイブルだ!」と思ったかもしれません。
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