『オーデュボンの祈り』感想 著:伊坂幸太郎

当代きっての推理小説作家、と言って間違いないですよね。

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好き嫌いがある(むしろ昔っからの推理小説ファンにはウケが悪い)タイプの作家だとは思いますが、とはいえ、面白い発想をする人だとも思います。個人的には東野圭吾さんよりは好きです。

そんな伊坂幸太郎さんのデビュー作、『オーデュボンの祈り』。
「伊坂作品で一番、これが好き!」という意見を伺ったりなんぞして、前から読みたいとは思っていたのですが、ここにきてやっと読むことが出来ました。

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主人公、伊藤のコンビニ強盗から物語は始まる。伊藤は気付くと、見知らぬ島にたどり着いていた。その島は荻島といって、江戸時代以来外界から鎖国をしているという。島には、嘘しか言わない画家や、島の法律として殺人を許された男、未来の見える、人語を操る案山子などがいた。
しかし伊藤が来た翌日、案山子はバラバラにされ、頭を持ち去られて死んでいた。伊藤は「未来がわかる案山子はなぜ自分の死を阻止できなかったか」という疑問を持つ。 住民から聞いた「この島には、大切なものが最初から欠けている」という謎の言い伝え。 案山子の死と言い伝いの真相を追う伊藤の数日間を描く。

ウィキペディアより

まず、設定が最高ですよね。
「未来のことが見える案山子は、何故自分の死を誰にも言わなかったのか。」
ゾクゾクします。

城山という悪の権化のような登場人物がいるのですが、これが伊坂幸太郎の物語っぽい。悪がわかりやすく悪である、ってのがこの人らしいところですよね。最近はそうでもないみたいですけど。

よく言われる、文章が村上春樹っぽい、というのも、この頃は本当にそんな気がしますね。最近はどんどん独自の色が出ているように感じますけれど。

確かに、僕が今まで読んだ伊坂作品のどれよりも面白かった。また読もうかと思える作品です。