定年退職したおっさんが飯を気ままに食う
ただそれだけの話なんですけどね、そこの行間というか、間々に垣間見られる思想というか思考が、とても面白いんですな。
そういう点でいえば、プロットはなんら孤独のグルメと変わりません。
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本当にやっていることは同じ
定年退職後の自分を、浪人、いや、野武士と例えたおっさんが、行き当たりばったりでこだわりながら飯を食う話です。
主人公が酒を好む分、孤独のグルメよりも共感できる部分が多いですかね。
ただ、やっていることは全然変わらないです。
久住×土山対談も面白い
これを観てください。
この『野武士のグルメ』の原作の久住昌之氏と作画の土山しげる氏の対談です。
この中で2人が食べログを否定する場面があります。
――検索に頼らないで、素敵なメシ屋と出会う方法をおふたりに伺いたいのですが……。
久住 検索してグルメサイトに出てる他人の評価を読んで店に行くことって、「これ食べたよ」っていうことを確かめる“確認メシ”なんですよね。
土山 確かに、そうですねえ。
久住 グルメサイトに限らず雑誌や、テレビもそうなんだけど、そこでおいしいと紹介されたものを知ったら、じゃあそれを確かめようとなる。それでお店には客が押し寄せるんですね。確認、確認なんですよ。
確かにそういうところはあります。
人の確認をして、何が楽しいんだ、と。
根っからの野武士たるお二人はそれでは面白くないのかもしれませんね。
ただ、あたくしは野武士というよりは百姓の気質。
毎度毎度、道場破りをしていたら疲れるのです。
たまには安心して、他人の勧める料理が食べたいのです。
もしくは、旅行に行った時。
どうせ行ったんだから、一食くらいは「間違いないもの」を食べたい。
そういう時があっても、いいじゃないですか。
あたくしは食べログを「使い方による」と思っています。
毎度毎度、食べログ食べていたら、そりゃあつまらない。
けれど、どうしても外したくない時に使う。
これはありじゃないですかね。
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