ケータイ小説世代を読もうと思いまして。
乙一先生は、あたくしより少し上。
等身大の物語を読みたく思いましてね。
年下だと朝井リョウ先生、年上だと伊坂幸太郎先生。
何だかその間の、大御所ってどのへんですかね。
Amazonでの評価がやたらと高くて。
そんならいっちょ、と思って買ってみたわけなんですがね。
イマイチでしたね。
calling you
うーん、10代が書いた感が凄い。
どうして10代の携帯電話が買えない少女が北海道まで葬式には行けるか。
失はれる物語
その痛みは、自分の人生と、肉塊となった夫に対する愛情とを秤にかけなければならなくなった懊悩そのままだった。指先が皮膚に当たる度、何も聞こえなくなった
at location 893
先生らしい怖い話ですが、もう一捻り欲しかったかな。
手を握る泥棒の物語
それ以来、小遣いは腕時計集めに注ぎこまれ、俺の頭の中はいつもそのことでいっぱいだった。どれくらいいっぱいだったかというと、気を緩めると、耳や鼻の穴から腕時計のベルトが飛び出してしまいそうなほどだった。
at location 1736
むかし、自分もこんな感じの文章を書いていたなぁと思い出される。
ある意味で等身大なんだろうけど、どうも、ねぇ。
発想は好きだけど、展開はありきたりのような。
別の作品に挑戦するか
この単行本はあまり好きにはなれなかったけど、今度はミステリーを読んでみようと思ってます。
何だか不完全燃焼でしたが、筆者にアレルギーを感じるほどでもないかな。
代表作である『GOTH』とか。
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