どうも、マツオです。
今回私が読んだのは『リライト』 法条遥著 です。
総合評価 ★★★★★★★☆☆☆ 7/10点
文庫本の帯には「もうひとつの時をかける少女」と書いてありました。しかしここにはそこまで心惹かれません。
それより小さく「SF史上最悪のパラドックス その完璧にして無慈悲な結末」、おいおいおい、タイムリープもので更にどうやら絶望的な匂いがするこの本。かなりの期待値で読み始めました。
この小説を読み始めると、まず感じる違和感。何だか変だ、物語の語り手が章ごとに変わっていく。誰が誰だかよく分からない・・・
しかも1992年と2002年を交互に描いていく。もう序盤の混乱具合はなかなかのもので、久しぶりにページを戻り戻り読みました。
しかし読み進めていくと中盤くらいからはその混乱も徐々に解消されていきます。なるほどこれはどうやらタイムリープしているのは一人の人間だけじゃないなと。結構な人数がしているぞと。
終盤はもうページを進める手が止まりません。誰が犯人かはもう大体想像ついているのですが、この終盤の鳥肌がたつ感じはこれまた久々な感覚でした。
そこまでタイムリープものに造詣が深いわけではありませんが、こんな悪意のあるタイムリープものもあるんだなと思いました。何か勝手にタイムリープものって誰かを救いたいとか、そんな理由でタイムリープするイメージがありました。
しかしこの『リライト』のタイムリープは確固とした自分勝手な悪意を持ったタイムリープにより、何人もの人生を狂わせる、そんな物語でした。
私はこの本を2日で読み切ってしまいましたが、あっさり読み終わった割には読後感の余韻がそこそこ長い作品でした。軽く読めるのに余韻が残る、おすすめの作品です。
さて、これから読もうとしているのは『リビジョン』 法条遥著 です。
今回4部作の2部目ですね。もうこのまま4部作読み切ってやろうと思っています。
matsuo
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