『メジャーリーガーの女房 ヨメだけが知る田口壮の挑戦、その舞台裏』 田口ファン必読

なんといってもイチロー世代。
谷・田口・イチローの外野は最高でしたね。

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メジャーリーグ挑戦にあたり、田口夫妻にはある決まりごとがあった。

「こんなはずじゃなかった」と絶対に言わないこと。

ところが、「こんなはずじゃなかった」ことだらけで、どこから突っ込めばいいのかわからないほど、二人の行く手は険しかった。
夫婦二人三脚、途中からは息子・両親も加わって、家族一丸で駆け抜けた激動の8年間。
悠々自適、豪華絢爛なメジャーの奥様生活なんて夢のまた夢だ。
笑いあり、涙あり、喜びあり、苦い思いあり。ワールドチャンピオンに二度輝いた男「田口壮」を支えたヨメだけが知るメジャーリーグ挑戦秘話が今、明かされる!

単純なMLBへの興味、そして田口壮という人間の海外挑戦に興味があって読んだのですが、どっこい、そこに収まりきらない面白さにあふれた本でした。

野球関連でいうと、やっぱり全然違う。「どっちがいいとかいうつもりはない」みたいなこと書いてあるけど、明らかにMLBの方がいいと思ってるでしょうね。そうとしか読めない。

奥さんや恋人との電話の切り際に「愛してるよ」と口にするチームメイトを見て、 「 聞いてるほうが照れるわ」と言っていた彼が、そのうち「ああやって口に出すことで、お互いを安心させてるんやろな」と言い始め、電話の終わりには必ず「じゃあね!愛してるよー!」と真似をするようになった。 「…… 愛してるよ…… 」と嘱かれてしまったら不気味で引いてしまうが、「愛してるよ!」と楽しそうに言っていたら、それはまるで「おなかがすいたよ!」「Ds の電池が切れてるよ!」となんら変わらないくらい、自然になってきた。ただでさえ離れている時間の多い遠征稼業だ。目の前にいない相手に「行間を読め」と言われても、時にはお互いの感情が読み取れず、「自分はこんなに頑張っているのに、感謝の言葉 のひとつもないなんて」と、相手をなじりたくなることもある。けれど、「ありがとう」をはじめ、感情をストレートに伝えることで、もやもやとした不満が解消されるのはとてもいいことだった。
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「愛してるよ」が言えない問題ね。うちもほぼ言ってないや。
言わなくてもわかってる、という美学もあれど、それは遠距離じゃ通用しないかもね。

ところで、マイナーリーグの奥さんたちは、長距離運転をいとわない。飛行機移動は一般的だが値段が高いから、運転をいとえない経済的な事情はさておき、それが自分の仕事であることをわきまえている。 家族あってのアメリカ野球だから、家族が離れ離れでいる時間は、できるだけ短いほうがいいのだ。学齢に達している子供を持つ奥さんたちは、あらゆる休みを利用して、少しでも夫のそばにいようと努力する。 フロリダ-メンフィス(16 時間強)を週に2 回行き来している奥さんもいたし、メ ンフィスからカナダまで(2 日半)「ちょっと帰ってくる」と言った人もいた。
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アメリカの風土かしら。プライオリティの明確さは羨ましいよね。
日本はその辺、めっちゃファジィ。

また、MLBでは家族で球場に行って、家族ルームでチームメイトの家族たちと一緒に応援するのが普通だそうで。すっごくいいことだなぁとあたくしは思います。

メジャーの「ファミリールーム」は違う。 外部の者が選手の家族(特に子供)を危険にさらさぬよう、暗証番号や内鍵で守られた大部屋が用意され、セキュリティー・ガードも控えている。 夏の暑い日などは、クーラーの効いた中で、モニターテレビで試合を観戦することができる。ベビーシッターさんもいるから、乳幼児を抱えていても、奥さんたちは試合中、好きに動けるし、ナイトゲームの時などは、「子供にこれを食べさせておいて」と、タ飯を作って、与えておいてもらうことだって可能だ。
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そういうのに慣れてしまうと、NPBじゃ物足りなくなったり馴染めなくなったりするでしょうね。
いいなぁ、MLB。野球選手である前に家族を大事にする。憧れます。

また、一方で、夫婦としての問題もしっかりと書いてありました。

面と向かって、「お古なんかもらっちゃうから子供ができないんだよー」と言った人もいた。どうやら、気の利いた冗談のつもりらしかった。 (お古?) 負けずに「肉は腐りかけがおいしいの!」、と言い返したいけれど、もうそんな元気もない。 「子供だけ若い子に産んでもらったら?」 (いや、この際それもありでしょうが…… ) こんな一葉の暴力があるだなんて、想像したこともなかった。 ある時は、日本のマスコミ関係者からわざわざ国際電話がかかってきた。
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再婚同士の田口夫妻。
そこでぶち当たる「子供出来ない」問題。
日本は子どもが居ない夫婦にとっちゃ過ごしづらい文化ですからねぇ……。
イチローも言われているんだろうか。

あなたのおうちはきっと、気づいたらおなかが膨らんでいて、子供が生まれたのでしょうね。 ぽんぽこぽんぽこ、できたのでしょうね。 我が家はどれだけ努力をしても、「愛を交わす」を「子作り作業」と義務化しても、 その「作業」後に逆立ちしてー分待っても、一向に何も起きないのです。毎月、たとえ遅れたとしても、最後には「お待たせしました」とばかりに生理がドサッとくるのです。 ちっとも待ってなんかないのに。
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悲痛やなぁ……。

事ほど左様に面白い本。
MLBが好きで田口が好きなら必読だし、そうじゃなくても面白く読めると思います。

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