『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』感想 名前をつけてやる

ちゃんとしたした「あるある本」みたい。

■「60の心のクセ」に3つの研究分野からアプローチして解説

あなたは正しく情報を選択できているでしょうか?
自信があるという人ほど、ぜひ本書に目を通してください。
私たちの認知を歪ませる現象の多さに驚き、
自分の偏った情報の受け取り方に気づかされることでしょう。

しかし、それこそが情報を正しく見るための第一歩。
認知バイアスを知らずして、
自分が認知バイアスに陥っていることに気づくことは難しいからです。
本書は3部構成になっています。

■認知バイアスに分類される用語は数百以上存在しますが、
意味や用法が曖昧であったり、重複しているものも多いものです。
そこで論理学・認知科学・社会心理学3つの専門分野それぞれで必要不可欠な20項目を厳選し、
合計60項目にまとめ、図版やイラストを交えて解説しています。

■賢い人・偉い人も、「見たいもの」だけ見るとバカになる
その理由の1つに、「自身の周囲の常識」=「世間の常識」と捉えてしまう認知の歪みがあるかもしれません。

人は、自分の見たいものだけ見て、それ以外の情報に耳を閉ざしがちです(cf:チェリー・ピッキング)。
さらに自分の考えと近しい人を周囲に集め、それ以外を攻撃したくなるものです(cf:内集団バイアス)。

「もしかしたら、自分はとんでもない勘違いをしているかもしれない」

そんな不安を少しでも感じるのであれば、
ぜひ認知バイアスという不思議な心の動きを学んでみてください。

人の心の「あるある」に「名前」をつけると、急にメタ認知しやすくなる。
そういう感じで読みました。他人事だといいんだけどね、身近に認知バイヤス強めの人がいると、途端にやりづらくなる。

Ⅰ認知バイアスへの論理学的アプローチ

07 チェリー・ピッキング

位置: 499
もちろん、個人のレベルでも生じうることではあるが、このように 自分に都合の良い証拠だけを提示し、不都合な証拠を無視する ことがある。そうした議論の進め方を チェリー・ピッキング と呼ぶ。

チェリー・ピッキングは結構、日常的にやってくるやつもいて、面倒。
自分に都合よく解釈する、って多かれ少なかれみんなやっていますが、ペア組んでいたりする相手だと本当に嫌になる。毎回、メールにスパイウェア組み込まれてるみたいな。

09 対人論法

位置: 605
このように、 主張されている内容それ自体ではなく、論者の性質やあり方についての攻撃を行うことで、相手の主張を退けること を 対人論法 と呼ぶ。
これは、 人格攻撃 の1つである。

これはやられることもあるし、やることもあります。自覚的。
安易なんですよね、これ。

Ⅱ認知バイアスへの認知科学的アプローチ

07 認知的不協和

位置: 1,684
すなわち、「不協和状態」とそれを低減するための意見変容という過程を想定しなくとも結果の説明ができる。
こちらの立場に立ったとしても、 やはり日常における自分の不満を口に出したり紙に書いてみる(すなわち、自分にとって観察可能な行動として表出しておく) のは有効 だと思わ

Ⅲ認知バイアスへの社会心理学的アプローチ

06 モラル信任効果

位置: 2,751
自分はボランティアをして社会の役に立っているので短時間の路上駐車をしても許される、など自分が社会的な貢献をしていることを理由に、関係のないところでのささいな不正が許されると錯覚するのである。

昔、クリスチャンの知人が「自分はクリスチャンだから正しい」という旨のこと言ってて「何いってんだ?」と思った記憶がありますね。

これもよく陥るやつだな。

14 システム正当化バイアス

位置: 3,216
不安を強めるような情報を与えることは、バイアスを強化する危険性がある のだ。
偏見や思い込みからでなく、自らの不安を解消する目的で生じるバイアスがあることは知っておくべきである。

自衛のためのバイアスってね。これは厄介ですよ。
僕だって確実に陥ってるしね。

まとめ

常に机に置いておくべきタイプの本です。
何かしらのバイアスにとらわれている自覚を持っておくべき。共存するしかないものね。

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