人生訓として面白い『生業としての小説家戦略 専業作家として一生食っていくための「稼げる」マニュアル54』

そのまま役に立つハウツー本ではないです。

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出版社の「不都合な真実」とは?
編集者になめられないノウハウとは?
専業作家として20年にわたって120冊もの執筆を重ねた著者が、辛酸を舐めた経験から学んだ自衛法と、「稼げる」極意を伝授。

KADOKAWA「カクヨム」読者ランキング1位になりながらも、なぜか出版が見送られたワケありの連載を書籍化。

理不尽な出版社を訴えたとき、著者の身に何が起こったのか!?
小説家になりたければ読んどけ!

あくまで個人的な体験が綴られていて、汎用性があるかと言われると疑問です。が、個人的だからこそ読み物として面白い。

まず、このわかつき氏が面白い。

わかつき・ひかる
2001年ナポレオン大賞授賞。2007年幻冬舎アウトロー大賞特別賞授賞。2011年宝島社日本官能文庫大賞・岩井志麻子賞受賞。
『ニートな彼とキュートな彼女』が2014年に「世にも奇妙な物語」にて映像化。メディアミックス多数。「Myシリーズ」は美少女文庫歴代一位の売り上げを記録し、現在もなお破られていない。美少女文庫最古参&最多出版点数&最多増刷作家。ジュブナイルポルノの女王。
近著『王子殿下の花嫁 貧乏お嬢様の甘いちゃ新婚生活』(ロイヤルキス文庫)、『ブルー・ブラック・プラネット 僕らは地球の夢を見る』(ぽにきゃんBOOKS)、『魔剣の魔メイドと魔の祝福』『監獄城の囚人姫』(美少女文庫)、『異世界でトレーナーをしています。(1)(2)』(HJ文庫)など。
電子書籍『ふたかた 姉ちゃんは一生、僕に憑き続けるつもりなのかもしれない』『青い夏、私はつたない恋をした。(1)(2)』など。

「ジュブナイルポルノの女王」っていいフレーズですよね。とにかく叩き上げの苦労人であることが本著から読み取れます。すごい苦労した人。

とにかく書いて書いて書きまくって、現在の地位を築いた人なんでしょう。並大抵のこっちゃない。だから文章に力がある。

詐欺られたこと、貶められたこと、辱められたこと、たくさんあるんでしょうね。それでも書き続ける。すごい。

位置: 397
私は原稿料を払ってもらうことに一生懸命になっていたので思いつかなかったのですが、私の訴状には漏れがありました。  損害遅延金(延滞利息)を忘れていたのです。

こういう後の祭り系の話は人生にたくさんあります。それを後世に語り継ぐ。流石です。

位置: 399
個人事業主である作家が、出版社から小説を依頼され、小説という商品を納品する行為は業務請負契約に当たります。  ☆☆社は、下請代金の支払いの遅延をしたので、「下請代金支払遅延防止法」の規定による金利、年利 14・6%を請求できます。  こうした訴訟を弁護士にまかせる場合、弁護士は延滞利息を含めて請求するようです。

相手も海千山千のツワモノですからね。やっぱりプロに任せるのも手ですね。
小説で食っていくなんて、大それたことを考えているわけではないですが、小説家という生態には非常に興味がある今日このごろです。

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