『ココロコネクト ヒトランダム』 やっぱ名作やがな

男女入れ替わりもの、として『君の名は』が流行りましたが、個人的にはこっちのほうが。

文研部の八重樫太一・永瀬伊織・稲葉姫子・桐山唯・青木義文は、奇妙な現象に直面していた。突然青木と唯に起こった“人格入れ替わり”。それは次々と部員全員へ襲いかかり、彼らを異常な日常に放り込む。戸惑いつつも、どこかその状況を楽しむ太一たちだったが、心の連鎖は彼らの心の傷をも浮かび上がらせ……。平穏が崩れる時、5人の関係は形を変える! 第11回えんため大賞特別賞受賞作品、愛と青春の五角形コメディ登場!!

2012年にアニメ化。
それが面白かったので覚えていました。

それっきり、全然気になっていませんでしたが、逆に『君の名は』をみて観たくなり。どうせなら、ってんで本を一気に大人買い。

かなり忘れていましたが、それも手伝ってか、かなり面白く読めました。

ぱっちりとした二重の双眸、すっと通った鼻梁、若干丸顔気味の整った顔立ちには、全く化粧っ気が見られない。にもかかわらず、その肌は白く澄んで潤いに充ち満ちている。軽く肩にかかる長さの、さらさらと絹糸のような繊細で柔らかな黒髪は、特にこだわりもなさそうに、素っ気なく後ろで括られてある。  飾りっ気など、全くと言っていいほど見られない永瀬であったが、その分永瀬自身が持つピュアな可愛さというものがありありと浮き上がってくるようで、むしろ自然体のままでいることの方がプラスに思えてくる。
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「稲葉、絶対に大丈夫だ。俺がお前を、救ってやる」  できるかどうかもわからないことを言うのは、ただの無知なバカなんだろうか。でもそれを宣言してしまえば、少し、現実に近付くような気がするのだ。
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人格入れ替わり、という古典的な手を使いながらもライトノベル感を失わず、それでいてラノベ過ぎない。なかなか微妙なところをついてくる作品です。

人格が入れ替わって散々やらかした後、最後の「ふうせんかずら」の提案。痺れますね。
ぐっと気持ちを掴まれる。

「あ~……死にたくないなぁ……。もっと生きていたいなぁ……。……これからだってのになぁ。なんで……なんで……わたしが……こんな目にあわなきゃならないんだろうなぁ……。なにが……悪かったんだろうなぁ……」  そんな当たり前の心からの叫びを、永瀬は絞り出す。止めどなく涙は、流れ続ける。
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ちょっと表現に悦に入りすぎていて、こっちが感情移入しきれない部分もありますが。
とはいえ気持ちがイタイほど伝わってくる。

またこの5人が良いじゃないの。
どれもラノベテンプレ型であるように一見みえますが、それでいて内面は複雑で機微に富んでいる。いい人物設定をなさる。

ちょっと気に入ったんで、しばらく読んでみます、ココロコ。

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