一気買いしたのでやっぱり読んじゃった。
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3年生になり、卒業後の進路の事を考えなくてはならない英太。東雲はやはり進学するという。特別優れているわけでも劣っているわけでもない自分も、ひとまずそう考えるべきなのだろうと思いながら、自分のやりたい事が分からずに迷う。小説家という夢を既に実現してしまっている東雲と自分を比べて、漠然とした焦燥に駆られる英太だが、東雲と過ごしてきた時間が、彼の望む未来をほのかに照らし始める……。もどかしく苦いラブストーリー、決心の先へ。
結局、この手の学園ラブコメは「家族、sex、進路」ということなんですよ。このモラトリアムの中での復活・体験・そしてその先を、どう描くか、ということ。そこまで分かっていても、なお、読んでしまう。病気か。
揺れる恋心あり、家族関係の復活あり、そして自分の進路決めがあり。
大団円です。いい本だった。
すらすら読めて、気持ちよく読了。これ以上ありません。
位置: 1,495
「顔文字、使わない主義なのかと思ってた」 と指摘すると、東雲の返信。 「使い方が分からなかったから……。でも、小説とかに使うかもしれないから、思い切って、使ってみました^^」 どうやらその顔文字が気に入ったものらしい。 「くっそ……可愛いなこいつ……」
いいじゃないですか。東雲侑子さん、可愛い。
位置: 2,370
貴方と一緒に過ごした時間の中で、私はいろいろな事を体験し、いろいろな話を聞き、いろいろな想いを抱きました。 その過程で、私の中で一層、強く意識したのは、ただただ私が、小説というそれのみを愛しているのだという、その事でした。 だから、短編小説だけを偏愛していた西園幽子という作家は、もうこの世にはいないのです。」
結局、「短編小説が好き」というのは導入で、「すべての小説が好き」まで行くという結論までの旅程を楽しむ本でもありました。
それはそれでありですが、「短編小説が好き」な理由が経験不足や視野狭窄だったから、という理由に成り下がっているような気がして腑に落ちないところはあります。短編小説はただ短に短いだけじゃないと思うのですが。
どうせなら「それでも短編小説が好き」というところまで行ってほしかったですね。
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