原作『響けユーフォニアム』は当たり前だが関西弁

そうです。京都なんですもんね。アニメから入った人にとっては違和感になってしまいます。

舞台は北宇治高校吹奏楽部。高校に入り、クラスメイトの葉月からの熱烈なアプローチを受けて吹奏楽部に入った久美子。
久美子の高校の吹奏楽部は、5年前までは関西大会の常連で、過去に全国大会に出場したこともある強豪校だったが、
顧問である山岡が他校へと移ってからは関西大会にすら進めていない。
再度の顧問交代を機に、再び高みを目指す部員たちの青春と奮闘、幼い人間関係の深化を、小気味よい演奏シーンとともに描いた、スウィング・青春小説!

ほぼ原作どおりのアニメ化だったことが分かります。
しかし、やはり関西弁はインパクト大でした。自分が関東人だからかも。

p35
ユーフォ? と、未経験者らしき生徒が首を傾げる。その反応は予想済みだったの か、そうです! とあすかは力強くうなずいた。 「ユーフォニアムというのは、ピストン・バルブの装備された変ロ調のチューバのこ
を指します。この楽器の歴史はいまだにはっきりとしませんが、ヴァイマルのコン サートマスターであったフェルディナント・ゾンマーが発案したゾンメロフォンをも に改良が加えられ、一般に使われるようになったという説や、ベルギー人のアドル フ・サックスが作ったサクソルン属のなかのピストン式バスの管を広げ、イギリスで 開発が続けられ現在のユーフォニアムになったという説などがあります。もともとは
Euphonion (オイフォニオン)と呼ばれていましたが、この名前はギリシア語の seuphonos、『良い響き』に由来します。

あすか先輩のオタクっぽさは、あんまりアニメじゃ強調されなかったけど、結構あたくしは原作のこの描写好きだなー。説明的ではありますが、個性的でもあって好き。原作は確実にあすかと久美子の物語に寄せてますもんね。

p118
あすかが小首を傾げる。その動作に香織は目を見開き、それから一気に顔を赤くし た。慌てたように、彼女はその手を離す。 「な、なんでもない!」 「そう?」
あすかは口端をわずかに持ち上げると、香織の肩を軽く叩いた。それから教室中を 見回す。 「よし!じゃあ着替えた人から移動してや!」
あすかの指示に皆が慌ただしく動き出す。香織は一瞬何か言いたげな瞳であすかを 見たが、その唇が言葉を発することはなかった。

アニメだと割と薄味に描かれていた香織とあすかの関係。
原作だとわりとわかりやすく百合百合してますね。かなり香織→あすかの一方通行です。京アニは「あえて」薄めているんでしょうね。

p134
周りからの歓声が聞こえるたびに、脳内から何か熱い物質が生み出されて、久美子 のテンションをドロドロに溶かしていく。熱に浮かされた思考は理性とは切り離され、 どこか遠くへと旅立っていった。足は針を飲み込んだみたいに重いくせに、気持ちは ちっとも疲れていない。いつまでもいつまでも歩いていけそうな気がする。

僭越ながら、あたくしも高座で同じ感覚になったことがあります。あれは気持ちよかったな。やみつきになる。

p159
「優しいしかないやんか!」 「カッと目を見開き、小笠原が立ち上がる。その迫力に、思わず久美子は後ずさった。 彼女の目元は赤く腫れ上がっており、もともと細い目がさらに細くなっていた。 「優しいなんてなあ、褒めるとこがないやつに言う台詞やろ? うち、わかってんね んからな!」 「ビシッとこちらに指を突きつける小笠原に、久美子はただただ困惑するしかない。 この人、こんな性格だったのか。

しかし、関西弁の啖呵ってどうしてもお笑いぽくなりますね。そこがいいところでもあるんでしょうが。「わかってんねんからな!」って凄みが出ないよね。自然とオブラートに包まれる感じが、得でもあり損でもあり。
ちなみにあたくしは小笠原部長大好き。

p179
夕陽が落ちる。光の残滓が、名残惜しげに空へと引っかき傷を残す。うっすらとに じんだ赤が藍色の空へと溶けていく。辺りには夜の気配が充満していた。闇を拒むよ うに、街灯の光がパチパチと瞬く。そこからまっすぐに伸びる白い影が、秀一の姿を 捉えた。

作者の武田綾乃さん、かなり風景描写とかロマンチックなんですよね。ほんとに若干二十歳か?と思うくらいに。「光の残滓が空へとひっかき傷を残す」なんてロマンチスト。

p198
うっすらと色づいた薄い皮膚。かじったら柔らかいだろうなあなんて、馬鹿なこ とを考える。 「久美子ってさ、結構性格悪いやん?」 「えっ」 「ショックだった。久美子ちゃんはいい子だね。関わったことのある人たちは、皆、 久美子のことをそう評価した。優しいね。優しいね。幼少期から刷り込まれてきた言 葉に、自分を近づけようと思ったのはいつからだったろうか。自分は優しい。その理 想を追いかけ始めたのは。
黙り込んだ久美子に、麗奈はうっとりと微笑みかける。 「そのいい子ちゃんの皮、ぺりぺりってめくりたいなあと思って」

高坂麗奈の美人ぷりも、関西弁で3枚目に。久美子が標準語なんですよね。ここも面白い。皮膚を齧ったら、なんていい感想ですね。

原作も面白い。

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