『よりぬきスタパさん』にゃ金言が埋まっている

今読んでも古くない。いや、むしろ古典であるとすら思う。

p68
パソコンって、いつになったらビデオやラジカセみたいに家電っぽくなって、誰でも使えるようになるんスか? 家電みたくなりますよね?」と質問する人物が最近多い。オーライ! それなら答えよう! 答えはノ ーだ! コンピューターはビデオやラジカセみたいに、ボタン一発ポンで使えるよう にはなりゃしねえ!
俺はもう18年もコンピューターを使っている(※2)が、一向に家電化は起きちゃいね え。最近は多少わかりやすくなったが、複雑さは増えるばかりだ。それもそのはず、ユ ーザーが増えたから、コンピューターにやらせてえ目的ってやつも増えたってわけだ。 使うのが簡単になったんじゃねえ、使うための情報が増えただけだ。

そこがスマートフォンとの違いですな。パソコンでも苦手な人用なんてあんのかしら?今読んでも愉快痛快。的を射ていますね。

p69
 直後、 俺はひらめいた。そうだ、それだよ子猫ちゃん! あんたらがコンピューター使うか ら、コンピューターが使いやすくなるんだ! いや、コンピューターを使うための情報 が、コンピューターを使うための常識に格上げされるんだ! 簡単な機械なんかどこにもありゃしねえ。そのモノがどれだけ常識的かってことだ。ビデオが簡単なんじゃ ねえ、ビデオは常識的存在なんだ!

いまやコンピューターは常識になって久しい感じがありますが、これを読んでいたときのような未来からは遠いですね。スマートフォンは近未来っぽいけど。未だに新聞は紙で読んでいたりする。

p73

 率直な話、若人らは、いまのうちからコンピューターの何たるかを知っておいたほう がいい。使うのはいつでもできることだ。きっと将来、コンピューターの操作はもっと 簡単になるだろう。そうなってから使っても遅くはない。だが、その存在や意味、 それから具体的な動作や使われかたは、なるべく早く知ったほうが楽しいし、きっと キミに大きなメリットを与えるだろう。それらを知っているのと知らないのとでは、 たとえば、カレーの作りかたを知っている奴と、カレーはパックをお湯で3分温めて作 るものだと本気で思っている奴ほどの違いが生まれる。
が、現代、その違いから生じる問題はごく少ない。カレーはどうすれば作れるかな んて、そんな些細なことを気にする必要はないのだ。カレーを食いたいと思ったとき にカレーが食えればいいのだ。だが、よりうまいカレーを食ったり、新しい味のカレー を味わってみたい思ったとき、お湯で温めるタイプのカレーしか知らない奴はカレー 製造会社に依存するしか道はない。その知識の少なさが、自分の世界を有限のものに しているのだ。

金言だわー。若い奴らに読ませたい。なんてね。偉そう。
あたくしだってコンピューターにすごく強いわけじゃないからね。疎くはないと思っていますが。強くもない。

でも良い例えだ。
物事を知るってことはそういうことだもの。自分の世界を広げるために、勉強するわけです。……どうして20年前、あたくしはこれに気づけなかったか。読んでいたのに。

p88
 俺が常々思うことは、なんつーかこう、情報を小さくしたいということだ。違う。情報が入っているメディアの容積を最小限に抑えたい。つまり、単位情報あたりの物理的容積を小さくしたいのである。まあ情報の圧縮と言えることなのかもしれない。
例えば俺は以前VHSとβのビデオを比べて、βを選んで購入した。画質云々使い勝手云々ではなく、単に同じ2時間テープの大きさを比べたら、βの方が小さかったからだ。どうせテレビやビデオがソースだから、多少の画質の差なんざ、カセットの大きさに比べたら屈みたいなモンだと感じられた。で、その後、8ミリが登場し、その小ささに呆れ返った俺は、速攻で8ミリを導入しβテープを8ミリにダビングしたりして、単位情報あたりの物理的容積低下を喜んだりした。(中略)
 先日は、身の回りにある紙の資料を全部電子化しようなんてコトを思い立ってしまった。

スタパさんが本著後にクラウドのことをしったときはどういう反応をしたのか。気になります。

あたくしも単位情報当たりの物理的容量小さいほうが好きマンで、本もほぼ電子化しましたし、クラウド大好きです。

今後もぜひ、モノを持たない生活をしていきたい。そのためには、スタパ先生に新著を出してほしい!

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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