『天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ(下)』感想 なかなかファンタジーなSFでござる

結構楽しく読めちゃってます。わかりやすい。

謎の疫病の感染源は、出自不明の怪物イサリだった。太古から伝わる抗ウイルス薬で感染を食い止めたカドムだったが、臨時総督府にイサリを奪われてしまう。一方、首都オリゲネスの議員エランカもまた、ユレイン三世の圧政に疑問を抱いていた。彼女は自由人の集団《恋人たち》と知りあうが、ユレイン三世はその大規模な弾圧を開始する。新天地を求めて航海に出た《海の一統》のアクリラは、驚愕すべき光景を目にするが……

といっても、筋がわかりやすいだけで、風景描写とかはなんだか頭に入ってこない。
年ですかねぇ。でも若い頃はもっと読解力なかったからなぁ。

位置: 262
ライサはめざましい成果をあげた。ライサの周りには同僚のこわもての男たちがおり、敵側には同じく不遜な男たちがいたが、どちらもストレスを抱えた有能な連中だった。である以上ライサにとってはどちらも獲物でしかなかった。彼らは若く美しいライサを見るとまず女としてからかい、その意外な強さと賢さ、何事にも動じない精神の深さを知ると恋に落ち、恋をして弱くなったところでライサの一撃――弱点を突く言葉あるいは蹴りの一発――を受け、いともたやすく 膝下 に屈した。女たちには 妬まれ恐れられた。女の多くは美貌と強さのどちらかを選んでおり、その両方をえげつないまでに使いわけるライサには理解も業績も及ばなかったからだ。

とにかく登場人物がアヴェンジャーズばかり。
落語に出てきそうな人は一人もいないね。面白いけどね。

位置: 1,675
「そう言えば、羊そのものもおかしな生き物ね。生物なのに生まれつき体の中に機械が埋まっているなんて……」
エランカが思いだしたようにつぶやいた。カドムは首を振る。 「植民地の生物はどれも原種からだいぶ改造されていますからね。人間にしてからが、《 海の一統》などは自ら呼吸方法まで変えてしまっている。

この羊の設定、後々活きてきそうなんだよな……。気になる。

位置: 2,642
カドムが苛立って言うと、ノルルスカインは指を立てて陽気に振った。 「順番に話しましょう。まずあなたに目をかけている理由です。それはあなたがイサリとつながりがあるからです」 「イサリに興味があるのか?」 「イサリとあなたのつながり に、です。

因縁というべきものがあるんだろうなーとは思うんです。
だから続きを読まなきゃとは思っているんですが、しかし、なかなか、続きに手が伸びない。10巻もあるんだもんなぁ。

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