これは、かなり、衝撃的な本でした。
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AV監督の二村ヒトシ、腐女子代表の岡田育、BL評論家の金田淳子という3巨頭が、禁断の男性の体の本当に気持ちいことについて徹底的に語りおろした1冊。10年先のエロの現場まで見通せること請合い。
永久保存版の性書
第一章で「肛門」、第二章で「雄っぱい」、第三章で書きおろしの「リアルなゲイとの対談」を収録した、永久保存版の性書でした。
正直、びっくらこいた。今まで、自分はそれなりにエロスに対して貪欲な探求者であったつもりでしたが、全然甘かったです。むしろ、すごく淡白なほうかも。女性の裸体に対する興味ばかりで、おのれの身体を開発してこなかった。32歳にもなって、お恥ずかしい。
特に衝撃だったのは第一章。「肛門」、というかいわゆる「穴」ですよね。これについての考察は、読めば読むほど目からうろこ。
これはインターネットで「やおい穴」とググるとすぐに出てくる、匿名の腐女子たちがいろいろな「やおい穴」観を整理したものですね。群衆の叡智です。まず、派閥は「やおい穴あるよ派」(Ⅰ)と「やおい穴ないよ派」(Ⅱ)で大きく分かれます。「あるよ派」とはすなわち、架空の穴として創作上に存在しているよ、という意味ですね。だから「現実のアナルと同じもの」と考える人は「ないよ派」に分類されます(Ⅱ-①)。それと「やおい穴は関係ないよ派」(Ⅲ)もあります。
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腐女子界に「やおい穴」という概念があるとは知っていましたが、それが「ある派」と「ない派」に別れ、さらにそこから細分化が進んでいるとは。
よく考えれば、当然ですよね。男だって、「輪姦あり派なし派」や「非和姦ものあり派なし派」に分かれますものね。
男は、自分の体が性の対象になるということにまったく慣れていない。そして男にとってペニスであれば安心して能動的に快感を抱けるんだけど、アナルはそうじゃないんです。自分でコントロールすることができない、受動的な快楽に身をまかせることになってしまう。だからそれを嫌がって出演を拒む男優さんもいます
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これは至言。まったくあたくしもそうでした。不可侵ゆえの無理解。未開であり、観ないふりをしてきました。いや、観ない振りにすら気づいていませんでした。
慣れていない男が自分の前立腺オーガズムにビックリしてしまうのは、男性というのは脳で作られた刺激、あるいはペニスへの触覚の刺激には慣れているのに、内臓に触られるという刺激の快感は体験したことがほとんど無いからなんですよ。 女性でいうと「クリトリス刺激でイクこと」と「膣の中でイクこと」は大きく違うと言われていますが、つまり前立腺でイクというのは後者にあたるわけです。
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ここまで言われちゃ、興味を持たないわけにいかないでしょ。確かに、わからないものをわからないままにして、それで満足していました。これじゃいかん。せっかく男に生まれたというのに。
ちなみに、他にも
- “大きく分けると、男性アナル開発には「男性的機能を高めるもの」と「男性を女性化に向かわせるもの」の二流派がある” at location 667
- “「アナルセックス」って「万事休す」という言葉にすごく近いんですよ。英語でいうと「God bless you」にも似てる。 ”at location 164
などなどの名言があります。第一章だけでこれだけでるんですから、第二章、三章と続くうちにもっと出てきます。
結果、あたくしのKindleHighlight、この本だけで30個以上のマーカーが引かれています。まじです。
これからは精進します
この本をよんで、意識がガラリと変わりました。今までのように自らの肉体から目を背けること無く、精進してまいりたいと思います。……出来れば。
ただ、妻と子を持つあたくし。性生活が深みを増すばかりに過程が崩壊しないか、ちょっと心配です。
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