『ペンギン・ハイウェイ』を再読する

森見作品の中ではわりと異色なこの著作。
あたくしはあまり好ましくは思っていなかったのですが、映画化もあったので一応再読しました。

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ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。

日本のSFの大賞?これが?というような感じ。別に取り立てて悪い、とは言いませんが、もっと面白いSFあるだろうという印象。森見作品のなかでももっと面白いSFあるよ。

位置: 332

あたたかい 風 が 丘 を かすめ て いく たび に、 森 が ゆれ た。 ゴウッ と はげしい 風 が 渡っ て いっ た あと、 透きとおっ た 緑 の 森 は、 さあ さあ と いつ までも 小さな 音 をさ せ て い た。

主人公が小学生だからか、語彙をわざと減らして書いてあるんでしょうが、大人の鑑賞に耐えうるかは疑問です。

位置: 344
おっぱいというものは謎だと、ぼくはこのごろ、しきりに思うのである。ぼくがしばしば考えてしまうのはお姉さんのおっぱいだが、なぜ彼女のおっぱいは母のおっぱいとはちがうのだろうか。物体としては同じであるのに、ぼくという人間に与える印象がなぜこんなにもちがうのだろう。

うむ。あたくしもおっぱいに関してはかなり煩型ですが、もっといろいろ考えていましたよ。小学生の頃には。

位置: 559
「アオヤマ君はスズキ君にも怒らないんだね」 「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ」

うむ。正しい。おっぱい平和論。

位置: 1,074
父は静かに言った。「問題が何か、ということが分かるのは、たいてい何度も間違ったあとだ。でも訓練を積んだ人は、だんだんそれを見つけ出すのが上手になる」

そういう人をベテランというんでしょうな。シナプスの優秀さよ。

位置: 1,089
「アオヤマ君は怒らないなあ」 「おっぱいのことを考えてるから」

なるほど、アンガーマネージメントの一種ですね。

位置: 2,533
父に新しい本を買ってもらうとき、ぼくは父の試験に合格しなくてはならない。前に買ってもらった本について、どんなところがおもしろかったかということについて、父に説明しなくてはいけない。その試験に合格できなければ、本を買ってもらうことはできない「おきて」だ。でも、ぼくが試験に合格できなかったことはない

あたくしも子供にはそうやって本を与えよう。

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