小説版『熱海殺人事件』感想 伝兵衛の理不尽さが本ではエンタメになりづらい

多分劇で見るのが面白いんだろうな。
つまらなくはなかったけど、二度読むことはなかろう。

部長刑事木村伝兵衛と富山から赴任してきた新任刑事の熊田、そして婦人警官ハナ子が、熱海で起きた殺人事件の真相を、容疑者大山金太郎を取り調べる中で華麗に改ざんしていく─。 本作は1973年につかこうへい氏が当時25歳の若さで文学座に書き下ろし、翌年に第18回岸田國士戯曲賞を最年少で受賞した不朽の名作。

乱暴な面白さ、ってんでしょうけどね。
小説で読むよりやっぱり劇でしょうね。それ用に書かれたわけだし。

読んでて「あれ?おれの読み方が悪いのかな?」って思うところがあって、それは実はユーモアだったんですけど、そういう疑問をいだきながら読むのってストレスだったりしますからね。話の本筋にノッていけなくなる。

一方的に、暴力的に、そして一時的に詰め込まれることで出てくる快楽みたいなのは、やっぱり本じゃなくて劇などで楽しむものだな、と思った次第。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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