『ガリバー旅行記』感想2 針小棒大な表現が好きなら

ラピュタ登場です。

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わたしが〝飛行島〟あるいは〝浮遊島〟と訳した言葉は、この国ではラピュタと発音するが、語源はわからずじまいだった。いまは使われていない古代の言語によると、ラップは〝高い〟、ウンターは〝統治者〟を意味するのだという。そこから、ラプンターが転じてラピュタになったのではないかという説もある。

そして日本では大人気、天空の城ラピュタです。
巨神兵的なやつは出てこないですけどね。ただここの人々はまた、えらく個性的で。

位置: 3,095
夫である首相は妻を責めもせず、このうえない寛大さを発揮して迎え入れたのだが、ほどなくして、その貴婦人は手持ちのすべての宝石類とともに同じ愛人のもとへ走ってしまい、それきり行方が知れないという。
読者にとってこんな話は、どこか遠い国の出来事というより、むしろヨーロッパの、それも英国の事件のように聞こえるかもしれない。だが、結局のところ女とは気まぐれなものであり、それは風土や国を問わず、われわれの想像を超えて普遍的な現象なのだ。

時代とはいえひどい言い方。今の人の常識からするとね。
ラピュタは色々と軽薄な国。

位置: 3,685
わたしが頼むと、族長はカエサルとブルトゥスをすぐ近くにまで呼んでくれた。ブルトゥスの姿を目にしたとたん、わたしの胸には深い尊敬の念が湧きあがった。非の打ちどころない人格、比類なき剛胆さ、強固な意志、どこまでも純粋な祖国愛、分けへだてのない博愛心が、その顔立ちからはっきりと伝わってきたからだ。

今度はグラブダブドリブという、魔術師と呪術師の島へ。
しかし本当に古代ローマだのが教養として愛されてますね。そんなにこの時代のほうがいいのかね。
日本にも戦国や江戸時代好きがいますが、あの頃のほうが良かったというのは極端な気がしますけどね。

位置: 3,818
これらの人々は、すべて生前の姿のままで目の前に現れるため、人間という種族がこの数百年間にどれほど退化してきたかを思い知らされて、わたしは 憂鬱 にならずにはいられなかった。さまざまな種類におよぶ病原菌の影響のもと、いかにわれわれ英国人の顔立ちが変わりはて、背丈が縮み、神経が鈍くなり、 腱 や筋肉がゆるみ、血色があせ、身体がだらしなくたるんでしまったか、それを容赦なく見せつけられたのだから。

昔は良かった、というのは何も産まない呆けた意見だと、あたくしは見做すようにしています。スウィフトもその類の愚論から早く脱却すりゃいいのにね。

位置: 3,823
すっかり気分が落ちこんでしまったところで、わたしは昔ながらの英国の自作農たちを呼び出してほしいと頼んでみた。飾り気のない態度、質素な衣食、公明正大な取引、自由を愛する精神、祖国愛あふれる勇敢な行動により、かつては世に名高かった人々だ。だが、またしてもわたしの脳裏には、それと比較するように当世の人間たちの姿が浮かんだ。この自作農たちが持って生まれた汚れなき美徳も、自らの一票を金に換え、選挙運動に奔走し、宮廷でさまざまな悪徳や腐敗に染まった子孫たちの手により、目先の金のために踏みにじられてしまうのだ。それを思うと、とうてい平静ではいられなかった

勝手にしろってんだ。

置: 3,847
わたしはいくつかの点について手短に説明した。ただひとつ、国籍だけは正直に話すわけにはいかないので、オランダ人を名乗ることにする。なぜなら、わたしは日本へ渡るつもりだったが、かの王国はヨーロッパの人間のうち、オランダ人にしか上陸を許していないのだ。

位置: 4,078
ラグナグ王国と、日本という強大な帝国の間には、ずっと交易が続いてきた。したがって、おそらくは誰か日本の著述家が、すでにストラルドブルグに関する本を書いているのではないかと思われるのだが、わたしの日本滞在はごく短かったうえ、言葉がまったくわからないので、 訊いてみることさえできなかった。

日本もちらっと出てくるんですよね。神秘の国として。
当時はホント、世界の果てだったんでしょうな。

ラグナグ王国と交易がある、と書いてもみんな本気にしたんだろうか。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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