漫画『寄席芸人伝』感想 落語に興味をもったきっかけ 

最高の落語入門書

父親の本棚から盗んでは読んだ思い出の作品。何度読み返しても面白いです。

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漫画が好きだったあたくしが、「落語って面白いんだな」と思ったきっかけです。
今でこそアマチュア落語などをやっておりますが、この本がなければやらなかったでしょう。

下手な落語聴くより面白い

そういうと角が立ちますが、実際そうなんですもん。

落語を聴くことって、「落語家の噺を聴きに行く」ことと切り離せないとあたくしは思うんですね。
つまり、「◯◯の話を聴きに行く」ということ。

この本はそれのみにスポットを当ててます。
どんな演目を話すのかよりも、誰が何を話すのかに注目しています。

後になって知るのですが、この作品の中には実際にあった話が散りばめられているんですね。
八代目文楽師匠の甘納豆の噺、志ん生師匠の震災時の酒飲みの噺、円生師匠の満州の噺などなど。

創作も多分にあるのでしょうが、この本から落語に触れ始めた自分にとっては「あ、寄席芸人伝にあったあの噺、実在したんだ……」という逆転した経験をすることになりました。

落語が好きな人も、好きじゃない人も

内容は「落語について」というよりは「落語家について」なので、前知識なくても楽しめるし、前知識があれば思わずニヤリとするような噺も沢山あります。

古谷三敏さんといえば、『レモンハート』ではありますが、あたくしにとってはこれ。
寄席芸人伝、最高です。