『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』はツッコミづらい 2

勝てない理由を延々と書く、という女々しい行為。しかし、これが面白い。

位置: 532
『「あ」研究家』などは、 唸るしかありませんでした

溢れ出るダウンタウン愛。
しかしyouTubeってこういうとき本当に便利。

位置: 536
コント風の『誘拐』というネタも、よくできていました。「おまえのところに小学校二年生の息子おるやろ」「おりますけど」「うちには六年生がおんねん」という入りで、次から次へと不条理なやり取りが展開されます。

ふむ。今見ても楽しい。しかもネタとして完成していますね。

位置: 538
関東では、ほぼ同時期に、やはりウッチャンナンチャンが一切フリートークのないネタを作り始めていました。西のダウンタウン、東のウッチャンナンチャンという二大スターの誕生によって革命が起き、その後の芸人に多大なる影響を与えました。

ウンナンって「やるならやらねば」のイメージしかないんですよね、36のおじさんにとっちゃ。そういえばコントとかみたことない。ダウンタウンと東西はる存在だったとは。

位置: 546
二〇一八年のM-1で、審査員の上沼恵美子さんが、結成一五年でラストイヤーだったギャロップにこう苦言を呈しました。
「自分をさげすむっていうのは、基本的にはウケないっていうことを、これだけのキャリアあったら、知っとかなあかんわ。何してたんや、今まで」
容姿をもとに「モテないネタ」を繰り広げたからです。

好きじゃない上沼さんですが、いいこと言うな。
自虐はだめ。落語のマクラもそうですね。自戒しないとね。

位置: 571
第二期の一年目、二〇一五年王者のトレンディエンジェルもハゲネタが売りでした。ただ、彼らの不思議なところは、ハゲネタでも「自虐」になってないのです。むしろ、自己アピール、もっと言えば武器として使っています。そこは彼らの人間性としかいいようがありません。
ちなみに、非関西系のしゃべくり漫才で優勝したのは、彼らが史上初です。とはいえ、NSC東京校出身の吉本芸人なので、上方漫才のエキスが注入されています。東京言葉であれだけ自然にしゃべくり漫才ができるわけですから、彼らのスキルは相当高い。それも自虐ネタを自虐と感じさせなかった要因だと思います。

あのときのトレンディエンジェルはハネてましたね。出てきただけでドッカンドッカン。
もう勢いだけで優勝確定していたような印象でした。漫才もレベル高かったし。

位置: 580
二〇一二年に『キングオブコント』で優勝したバイきんぐも、ツッコミの小峠(英二) さんのスキンヘッドにはネタ中、一切触れませんよね。ネタの力で勝負している。だから、高い評価を受け、ネタ番組に引っ張りだこなのです。

褒めるなー、芸人ロマン。ネタロマンというか。

位置: 584
寄席などで、僕らの前の出番の芸人が、お約束のように「お目当てのナイツさんまで、もう少しですので」と言うことがあります。それでも、ちょっと笑いがとれますから。
ただ、これも僕は好きではありません。少なくとも僕はその類いのことは絶対に言わないようにしています。漫才を披露する舞台の上で、そういう種類の話で笑いをとるべきではないと考えているからです。
容姿があやしげだと、いきなり「こいつ、ちょっと頭おかしいんで」という振りをするコンビがいますが、それも馬鹿げていると思います。頭がおかしいかどうかは、お客さんがネタを観てから判断することなので。  お客さんが自ら「この人、おかしいな」と気づくから、おもしろいのです。それを最初にばらしてしまったら、その時点で世界観が台無しになってしまいます。
ナイツのネタも、おかしい人の極地です。ボケの僕は簡単な言葉を最初から最後まで言い間違えます。そんな人、本来、いるはずがありません。それをあえて馬鹿だと言わずに土屋が付き合ってくれているところに独特の世界観が醸成されていくわけです。

「芸人はあくまでネタで勝負するべき」という固い信念がある。漫才協会副会長としてのプライドですかね。かっこいい。

位置: 619
落語の世界では、笑えるところほど笑わせようとしないようにやることが大事だとよく言われます。でも、強引なつかみは、その逆です。笑えないところを無理やり笑わせようとしているのです。

そのとおり。船橋師匠など、すごかった。

位置: 622
僕はスッとネタに入るコンビを観ると、その後のネタへの期待がグッと高まります。こいつらは、ネタで勝負しにきているなというのが伝わってくるからです。

力説。もうここまで読んでいれば同意しかないでしょ。

位置: 682
入りのところで、僕が「こうもん見えても……」とボケるシーンがあります。従来は、土屋が「こう見えてもだろう。肛門見せちゃダメだよ」とツッコんで終わりでした。
でも、アドリブで「何でダメなんですか?」とあえて突っかかっていく。「ダメに決まってるじゃないですか」と言われたら、「ダメな理由を教えてくださいよ」とさらに吹っ掛ける。そこで三〇秒ぐらいやり取りをするんです。  もちろん、土屋には教えていません。でも、今の土屋なら、何とかかんとか切り返してきます。お客さんもけっこう笑ってくれています。
そんなとき、会場に立体感が出てくるというか、やはり漫才とはこういうものだよなという気持ちになります。でなければ、二人でやっている意味も、お客さんを入れている意味もなくなってしまいますから。

あの空気感がいいんですよね。イチャつきとも思える。
たのしいんですよね、あれ、みているの。
落語も客席との対話ですからね。会場の空気を扱うところ、勉強になります。

つづく。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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